今回は「国際秘密力研究叢書」シリーズの二回目で、赤池濃著『支那事変と猶太(ユダヤ)人』(国際秘密力研究叢書4:昭和14年刊)を紹介したい。著者の赤池濃(あかいけ あつし)は内務官僚で、朝鮮総督府の内務局長、警務局長などを歴任後、大正十二年(1923)から貴族院議員を務めた人物である。
支那排日とユダヤ人
以前このブログで、GHQ焚書リストの中から外国に関する本を分類すると、圧倒的に中国に関する本が多いことを書いた。テーマ別では支那事変に関する本の数が群を抜いており、今回は『支那事変と猶太人』の第三章で、支那の「援支排日」について述べている部分を紹介したい。
支那事変は大事(おおごと)となった。この戦で支那が負けて、蒋政権が没落すれば、ユダヤ人は多年扶植した利権を失い、せっかくの建設も台無しとなる。真にサッスーン一派の死活問題たると同時に、英国にとって盛衰の由って分れるところである。さればその駐支大使ヒューゲッセン(ユダヤ人)並びにカーが百方支那のために狂奔するは固より、首相チェンバレンは幾度か援支を声明して我に敵意を表し、セシルは「支那を援けるよりは日本の圧迫が捷径(しょうけい:近道)だ」と議会で放言し、英国議会の空気は排日意見さえ述べれば、何者に対しても拍手を送るありさまで、援支排日の態度は日一日と甚(はなはだ)しくなった。
フランスにおいてはプルム(ユダヤ人)内閣の排日は勿論、その辞職後もマンデル(ユダヤ人にして、当代のディズレーリと評せられる人)は依然植民相として采配を揮(ふる)い、支那事変については、その大使ナジャール(ユダヤ人)をして終始英国と緊密の連絡の下に援支排日に活躍せしめた。
米国に於いては、ユダヤ人の策動日と共に猛烈となり、あるいは大統領の妄言となり、あるいは財務長官モーゲンソー(ユダヤ人)の対支借款となり、また外交委員長ヒットマン(ユダヤ人)の舌端益々風霜を帯び、遂に日本との国交断絶を辞せずと言明するに至った。これと呼応して重慶政府は公々然、英米仏ソと共同戦線を張る事を声明した。
これで内外の情偽が一切判然と明らかになった。戦争程秘密を暴露させるものもなく、ユダヤ人の各国政府を動かすことは明白となった。従来蔭に隠れて容易にその正体を現さなかったユダヤ人が表面に姿を示すに至ったのは、全く戦争の賜である。
ユダヤ人は経済建設に着手する際、すでに戦争を予想したらしい。ゆえに建設の中には多分に戦時体制が織り込まれている。また容赦できぬのは「戦争二年説」を流布させたことである。これによれば、日支戦争は二年で片付く。最初の一年の前半期では日本が勝つが、後半期に支那が盛返し、次の年の前半期に入れば、日本は困憊疲弊するに反して、支那の陣容大いに整い、後半期に於いて決定的勝利を収めるというのである。さらに国際支援説を宣伝させて、支那人の排日意識を助成した。即ち支那は国際的同情を得て精神的、物質的援助を受けるが、日本は国際憎まれ者で、不断の迫害を受け、遂に敗滅の一途を辿るというにある。
一体に彼らは支那の軍事能力を過大に評価し、我が経済力を不当に見縊(みくび)る癖がある。開戦当初、余程前途を楽観したが、さらに戦局を有利に導くため、支那に声援して種々の便宜を供するのほか、盛んに巨砲を連発して世界の耳目を惑わし、事実を歪曲して世界の判断を誤らせた。既にして支那の敗形全くなり、南京・漢口・広東陥り中原の半を喪うや、驚愕狼狽、いよいよ躍起となりその国際網を利用して列国を動かし、公然かつ露骨に、排日援支の行動を執らせている。
これによりてこれを観れば、支那事変は日支両国の戦争とはいえ、その実質に於いては、正しくわが国と欧米ユダヤとの戦争である。我らは彼らの実力と策動を認識して対策を講ぜねばならなくなった。
赤池濃 著『支那事変と猶太人』国際秘密力研究叢書 ; 第4冊 政経書房 昭和14年刊 p.73~76
支那事変は実質的には英米との戦争であり、その背後にはユダヤ勢力が絡んでいるという指摘は、戦前の書物には多数存在し、大手新聞でも指摘されていた。
上の画像は昭和十三年十一月二十三日付の読売新聞だが、支那事変の進展につれてわが国でもユダヤ人問題が認識されてきたことを伝えている。
誰が支那に軍事資金支援をし軍需品を売ったのか
支那事変が始まって、支那の外債募集と軍需品購入に尽力したのは上海の政界・実業界で活躍していたアーノルド(ユダヤ人)だった。上記の読売新聞の記事にも記されているが、当時の上海は「極東ユダヤ王国」とも言われていたように、ユダヤのサッスーン財閥が君臨し、諸国のユダヤ財閥と協力して、支那の西南部及び南部支那横断鉄道の開発を行っていたのである。
世界列国より支那に輸送されたる軍需品の総額は、そもそも幾何(いくばく)か。今後供給さるる分は果たして何程か。大なる兵器廠なき支那は、勢い一切の武器を外国に俟つ。抗戦三年、砲煙弾雨、一にこれ外国の賜である。・・・中略・・・列国にして真に平和を念とせば、断然耳を藉さずして兵器を制限すべきである筈である。顧みれば欧米の平和運動は、華やかに一世を風靡したが、開戦とともに論者口を緘(と)じ、運動影を収めた。これが反対に兵器の工場は、煤煙天を蔽い、騒音地を揺るがし、世界の繁忙をここに集めた観がある。しかしてその兵器工場、化学工業の会社は何人の掌裡(しょうり:手の内)にあるか。検し来たればその大なるものは悉くみなユダヤ人直接経営か、しからざればこれと密接の関係あるもののみである(国際秘密力研究第一巻参照)。・・・中略・・・
そもそも支那は連戦連敗。北京、上海、南京、広東、漢口相ついで陥ち、重要都市の大半を失い、海岸線の全部を喪い、中原の半は最早その有でない。かかる瀕死の者に、軍資を給し兵器を渡すが如きは、無謀の甚だしいもので、到底普通の算盤では弾かれない。元来打算に長じ数字を生命とするユダヤ人が、かかる計数無視の援助を敢えてするのはまことに以て不思議千万だが、底には底があり、少し調べれば何の変哲もない。ただ日本が恐ろしい。支那の敗けた後が心配でたまらないからである。ゆえに援支に熱中するのは排日を貫徹せんが為である。世界のユダヤ網が一斉に動き出して日本虐めにとりかかったのは、全くこの為である。
同上書 p.79~81
支那には日本と戦う資金も無ければ、兵器を作る大規模な工場は存在せず、それらをユダヤ人が手配した。兵器製造工場も船舶会社も保険会社もユダヤ人が経営していたのである。
真相を伝えない通信社
また、ユダヤ人は世界の主要な通信社を経営していた。支那事変に関する彼らの報道は如何なるものであったのか。
わが国を挙げて憤慨せしめたのは、開戦以来世界の新聞報道が著しく歪曲され、真相を伝えないのと、その論議がとにかく偏見で終始することである。これは何のためか。
今日の新聞は全く通信に依存し、通信社の供給する材料を基礎として刷り上げる。ゆえに通信が白を白とし、黒を黒とし、是を是とし、非を非として、材料性格なれば新聞は必然的に報道正確、論説允当(いんとう:公平である)となる。通信が歪曲不実なる場合に、これを没にすれば将来の供給を絶たれる虞(おそれ)がある。供給を断たれれたら最後、新聞は出来ない。そこで新聞社は忍んでこれを載せ、その感情を害せざるに努める破目にある。この苦痛は新聞社と通信社との間に一種の情実を造らせる。善悪問題でない。勢いやむを得ないのである。
現今世界を相手に活躍する通信社は、イギリスのロイター、フランスのアヴァス並びにアメリカのユーピー、エーピーである。その他の通信社は目下規模に於いて、資力に於いて、勢力に於いて到底その敵ではない。而してこの四社はともにユダヤ人の経営である。・・・中略・・・
さらに世界の新聞界を一瞥すれば、ロンドンでも、ニューヨークでも、いわゆる大新聞、一流紙は、例外なくユダヤ人の掌裡にある。例えばロンドンタイムス、ディリー・新テレグラフ、デイリーエキスプレス、デイリー・メール(以上ロンドン)、ニューヨークタイムス、ニューヨークヘラルド、ニューヨークワールド(以上ニューヨーク)など数え来たれば比々皆然りである。・・・中略・・・世人は新聞によって思想を造る。最初嘘と疑いつつも遂にはこれに引き込まれる。また反証を挙げる手段もない。而してその報道に基づいて意見を立てる。全世界の人、東西両半球の人、大概日支事変(支那事変)の真相を誤解する理由はここにある。我が政府は当初欧米諸国の世論とかく芳しからず、我に不利なもの多きを憂えていわゆる国民使節を派遣した。恐らく話せばわかる、支那の泣言が如何に甘くとも真実には勝てぬと思ったのであろう。尤もの次第だが、哀しいかな今は新聞の世、宣伝の時代である。新聞に載れば嘘も真実に化し、宣伝の効果は百パーセントである。一人が真相を知ったとて、千万人が騙されては如何とも仕様がない。かくして国民使節は結局ご苦労様に終わった。是非もない次第である。
同上書 p.83~85
世界の大手通信社はユダヤ人が経営しており、各国の新聞社は通信社の情報が得られなければ紙面が作れない関係にあり、情報の真実性が疑わしくても、今後の情報供給を断たれないように載せざるを得なかったのだ。また世界の大新聞、一流紙もユダヤ人の経営であった。そのため、支那事変の真実は世界には伝えられなかったというのである。当時は新聞の時代であり、新聞に載せられた記事は、嘘であっても世界の人々は正しいものと信じていたために、日本は孤立していったのではなかったか。
戦後の歴史叙述は、ユダヤ系の通信社や大手新聞社が伝えた内容に近いのではないかと考えられるのだが、ユダヤ人にとって都合の良い歴史がそのまま真実であると、鵜呑みにしない方が良いのだと思う。
わが国の先人達が書き残した記録を読んで、本当は何があったのかについて自分なりに考えることが、今こそ必要ではないだろうか。今は「国立国会図書館デジタルコレクション」や「神戸大学新聞記事文庫」などで、戦前の本や新聞記事がネット検索で読める時代なのである。
国際秘密力研究叢書のリスト
タイトル *太字はGHQ焚書 | 著者・編者 | 出版社 | 国立国会図書館URL | 出版年 |
ユダヤの人々 国際秘密力研究叢書 1 | 安江仙弘 | 政経書房 | https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/238650 | 昭和12 |
国際秘密力の話 国際秘密力研究叢書 2 | 長谷川泰造 | 政経書房 | 国立国会図書館/図書館・個人送信限定 | 昭和13 |
世界大戦並に欧洲政局を繞る 猶太秘密力の裏工作 国際秘密力研究叢書 3 | G.S.ハツチスン | 政経書房 | 国立国会図書館/図書館・個人送信限定 | 昭和13 |
支那事変と猶太人 国際秘密力研究叢書 4 | 赤池濃 | 政経書房 | https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/238802 | 昭和14 |
マソン結社の組織と秘密 国際秘密力研究叢書 5 | J.トウールマンタン | 政経書房 | https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/238751 | 昭和14 |
国際ロータリーとマソン結社 国際秘密力研究叢書 6 | J.ド・ボアステル | 政経書房 | 国立国会図書館/図書館・個人送信限定 | 昭和14 |
スターリン背後の猶太人 国際秘密力研究叢書 7 | R.コンモス | 政経書房 | 国立国会図書館/図書館・個人送信限定 | 昭和14 |
世界の秘密 国際秘密力研究叢書 8 | 愛宕北山 訳編 | 政経書房 | 国立国会図書館/図書館・個人送信限定 | 昭和15 |
フランス敗亡と猶太金権秘密力 国際秘密力研究叢書 9 | ジョセフ・サント 他 | 政経書房 | 国立国会図書館/図書館・個人送信限定 | 昭和16 |
*今次大戦と裏のニュース : 世界猶太情報 国際秘密力研究叢書 10 | 国際政経学会 調査部 訳編 | 政経書房 | https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/127705 | 昭和16 |
英国を支配するユダヤ力 国際秘密力研究叢書 11 | 鹿島健 | 政経書房 | https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/127083 | 昭和 |
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