共産主義

山中峯太郎

山中峯太郎著『日本を予言す』を読む その1

今回紹介させていただくGHQ焚書は、昭和12年に出版された山中峯太郎著『日本を予言す』である。彼の詳しい経歴などは、昨年末に彼の書いた『日本的人間』(GHQ焚書)という本を紹介させていただいた時に書いたので省略させていただくが、彼の著作の十...
尼港事件

尼港事件を目撃して奇しくも生き残った日本人の証言を読む~~尼港事件2

大正九年の尼港事件で、尼港に居住していた七百数十名の日本人の殆んどが共産パルチザンによって殺害されたのだが、わずかながら生き残った日本人がいて、毛皮商人と海軍士官の二人の証言が残されている。
ユダヤ人

岩佐圭奨『嵐の世界』(GHQ焚書)を読む~~ユダヤ問題を考える その2

前回に引き続き、ユダヤ人問題研究者・岩佐圭奨著『嵐の世界』の文章を紹介させて頂く。ユダヤ人は、世界史上の数々の重要事件に関与して来たのだが、戦後の歴史叙述ではそのような史実が解説されることはほとんどなかったと言って良い。  ユダヤ人問題につ...
ユダヤ人

岩佐圭奨『嵐の世界』(GHQ焚書)を読む~~ユダヤ問題を考える その1

今回紹介したい『嵐の世界』の著者・岩佐圭奨(いわさ けいぞう)という人物はネットに殆んど情報がなく、どのような経歴の人物であったかはよくわからない。  全国大学図書館の蔵書を「Cinii Books」で検索してもこの人物の著作は一冊も見当た...
歴史ノート

共産主義に関する戦前期の記事を読む~~「転向」を考える

前回記事で、コミンテルン(1919年にレーニンの指導のもとに創立された共産党の国際組織)による日本赤化(共産主義化)工作が進み、昭和七年に五・一五事件が起きた記事までを紹介した。赤化工作は軍部と青年に向けて重点的に行われていたのだが、対策を...
歴史ノート

共産主義に関する昭和初期の新聞記事を読む

前回は大正時代の記事を紹介したが、昭和に入り急速にわが国で共産主義思想が広まっていった。 大正十一年(1922年)に堺利彦、山川均、近藤栄蔵らが日本共産党(第一次日本共産党)を設立し、十一月にコミンテルン*に加盟し、「コミンテルン日本支部 ...
歴史ノート

共産主義に関する大正時代の新聞記事を読む

今の若い世代には共産主義国家を理想国家と考える人は少ないと思うのだが、現在六十八歳である私の後輩や先輩には、一時期そのような考えに染まった経験を持つ人は少なからずいる。しかしながら、その親の世代である明治末期から昭和初期にかけて生まれた人々...
歴史ノート

小松緑「赤化運動の経緯」を読む 2

赤化(共産主義化)はどこの国でも起こり得る 神戸大学経済経営研究所 新聞記事文庫 思想問題(5-007)  前回紹介した小松緑「赤化運動の経緯」(中外商業新報:昭和三年九月二十四日~十月一日)の続きだが、小松は共産主義思想は、資本主義でない...
歴史ノート

小松緑「赤化運動の経緯」を読む 1

小松緑は明治大正期の外交官で、アメリカ公使館書記官,朝鮮総督府外務部長など勤め、大正五年(1916年)に退官後は著述家として活躍した。 小松緑(Wikipediaより)  十冊程度の著書を残しているようだが、電子図書で『明治外交秘話』という...
ソ連・コミンテルン

佐々木一雄『日本の脅威 武装の赤露』を読む~~その3

共産主義国家・ソ連という国  前回に引き続き、佐々木一雄著『日本の脅威 武装の赤露』の一部を紹介したい。  共産同志と彼ら政権は「被圧迫民族を解放する」と大声に叫びながら、国内における自己の民族を圧迫している。しかもその状態が世界に現れぬよ...
ソ連・コミンテルン

佐々木一雄『日本の脅威 武装の赤露』を読む~~その2

スパイの国 ソヴィエト・ロシア  前回に引き続いて、佐々木一雄著『日本の脅威 武装の赤露』の一部を紹介したい。  ロシアはある一つの犯罪を除いては、事実上死刑が廃止されたということである。「それはどういう犯罪か」というと「スパイ」である。だ...
ソ連・コミンテルン

佐々木一雄『日本の脅威 武装の赤露』を読む~~その1

佐々木一雄という人物は、他の著書に陸軍大佐という肩書きがあるので陸軍の軍人であったことは間違いないのだが、詳しい経歴についてはわからない。彼の著した著作の内十二点がGHQによって焚書処分されているのだが、そのうち「国立国会図書館デジタルコレ...
共産主義関連

当時のアメリカ人ジャーナリストが記した中国の排日・抗日運動

中国で排日運動を英米が仕掛けたことを、当時アメリカ人ジャーナリストであったフレデリック・ヴィンセント・ウィリアムズが、1938年11月に出版した”Behind the News in China”(邦訳『中国の戦争宣伝の内幕』)に記している。その後わが国はなぜ日中の戦争に巻き込まれたのか。
共産主義関連

中国の共産主義化と抗日運動

満州国の独立に刺激されて、内蒙古が中国から独立する機運が盛り上がった。蒋介石は八万の大軍を送り込んで内蒙古軍を制圧したが、その際に全国民に対して民族戦の決起を促したために、中国全土で抗日の機運が盛り上がった。中国共産党は蒋介石を監禁して共産党と手を握らせ、共産党殲滅作戦を止めさせるとともに彼を抗日に転換させた。
共産主義関連

中国の排日運動がその後反帝国主義運動となり日本だけが排斥された経緯

中国の排日運動は、当初は英米が中国大陸から日本を排除する目的で仕掛けたものだが、中国大陸の赤化を狙っていたソ連が中国共産党に反帝国主義運動を始めさせ、最初にイギリス租界に鉾先を向けた。イギリスは租界を返還して反英の動きを止め、さらに蒋介石を抱き込んで、鉾先を日本に向けさせた。
ユダヤ人問題関連

ユダヤ人問題に関する大正時代の新聞記事・解説を読む~~北海タイムス「過激主義の根原」

ロシア革命はユダヤ人による革命であった  以前このブログで、1917年に起きたロシア革命のことを書いた。レーニンらの活動家に資金を支援したのは、日露戦争でわが国に資金支援したユダヤ人のジェイコブ・シフらであり、革命が成就して生まれた新政府の...
戦争文化叢書

ソ連・コミンテルンによる中国の赤化工作を知る~~「戦争文化叢書」を読む6

前回に引き続き満田巌著『日本世界戦争』の文章を紹介したい。戦後に書かれた著作では、中国で民族運動が昂揚した背景にどこの国が関与していたかについて触れることは皆無に近いのだが、この書物には詳しく記されている。 ソ連・コミンテルンによる中国の赤...
中国関連

満州国を攪乱したソ連と支那共産党~~『少年満州事変と上海事変』(GHQ焚書)を読む4

ソヴィエト連邦の極東政策  今回も『少年満洲事変と上海事変』の文章を紹介したい。満州国が建国されたのち、極東の情勢がどのように変わったかについて、戦後出版された教科書などにはあまり記されていないのだが、昭和11年に青少年向けの本に書かれてい...
武藤貞一

日米を戦わせるように仕向けた国はどこなのか~~武藤貞一『日米十年戦争』(GHQ焚書)

これまで武藤貞一のGHQ焚書を3冊紹介してきたが、今回紹介する本は、第二次世界大戦でわが国がアメリカに宣戦布告した約半年前に出版された『日米十年戦争』(GHQ焚書)である。  奥付を確認すると、この本が出版された日は昭和十六年六月五日で、手...
武藤貞一

わが国が第二次大戦で戦わざるを得ない状況に追い込んだ勢力~~武藤貞一著『日本の変貌』を読む

武藤貞一の著作はGHQに嫌われ、国会図書館においても全著作がネット公開されていない  武藤貞一という人物は今ではほとんど知られていないと思うのだが、戦前の昭和十一年から「大阪朝日新聞」の論説委員となり、「天声人語」欄を執筆。昭和十四年に「報...
国会図書館デジタルコレクション

GHQが最も嫌った野依秀市の著した政権・大手マスコミ批判の書

昭和14年刊『支那事変の前途は悲観か楽観か』  前回このカテゴリーで、GHQ焚書点数の最も多い野依秀市の軍部批判の論文を紹介したが、今回は野依の著作の中から、政権批判や大手マスコミ批判の論文を紹介したい。  最初に紹介するのは『支那事変の前...
長野朗

長野朗の『支那の真相』、『我等世界に何を学ぶ可き乎』を読む

このブログで長野朗(ながの あきら)の著書をいくつか紹介させて頂いたが、長野は戦前の代表的な中国通で多くの著書を残している。彼の著書のうち十八点がGHQ焚書図書となっており、没収された本の多さでは三番目にランクされる人物である。 今回はGH...
GHQ焚書

高橋亀吉著『戦時経済講話』を読む~~GHQに焚書処分された経済関連書籍

当たり前の事なのだが、戦争で勝ち続けたとしても、相手が敗北を認めなければ戦いは終わらず、兵士や武器・弾薬の補充などに莫大な費用が掛かり続けることとなる。そのための資金調達ができなくなれば、勝利することは不可能だ。  高橋亀吉といえばわが国の...
ソ連・コミンテルン

GHQに焚書処分された旧ソ連関係書籍~~『ソ聯は今何を劃策してゐるか』、『急迫せる日露の危機』

戦後GHQが没収し処分して戦後の日本人に読めなくさせた本の中で、旧ソ連に関する本は結構多い。例えば昭和十二年に発刊された三島康夫 著『ソ聯は今何を劃策してゐるか : 日ソ果して戦ふか』という本は、支那事変にソ連がどうかかわっていたかが詳しく...
GHQ焚書

官公庁が執筆・編纂してGHQ焚書処分となった本~~『国際事情昭和十四年版 世界の動き』

官公庁が執筆・編纂した書籍は主義主張はせず、事実のみを淡々と書くものだと思うのだが、多くがGHQにより没収・廃棄されている。なぜ焚書されたのか気になって目次を読んでいると、戦後の日本人に知らされてこなかったことが結構書かれている。  今回は...
GHQ焚書

GHQに焚書処分された作家の著作~~菊池寛『大衆明治史』、火野葦平『海南島記』

戦後GHQが没収・廃棄して日本人に読めなくさせた書籍の中には、小説家・作家の著作が少なからずある。  江戸幕府が外交知識が乏しいままに安政年間に結んだ条約が不平等で屈辱的なものであったために、明治政府がそれを改正させようとしたことは教科書な...
GHQ焚書

GHQが焚書処分した政治家の著作~~池崎忠孝『太平洋戦略論』、安藤正純『日本の行く道』

GHQが没収・廃棄し、戦後の日本人が読めないようにされた著作の中には、国内外の政治家が著した本が多数存在する。ヒトラーの『我が闘争』もその一つだが、日本人の著作では池崎忠孝(いけざき ただよし)の著作が最も多く処分されている。この人物は東京...
GHQ焚書

GHQが焚書処分した軍人の著書~~真崎勝次著『非常時局読本』

戦後の教育やらマスコミの解説などで、軍人はわが国を戦争に巻き込んだ犯罪者のようなイメージを擦り込まれていて、私の場合、恥ずかしながら軍人の書いた文章を読む機会はほとんどなく、読んではいけない本であるとか、学ぶところがないに違いないと、長い間...
GHQ焚書

GHQが焚書処分した「北進論」「南進論」関連書籍~~安達謙蔵『北進図南』

昭和十六年(1941年)六月に、ドイツが独ソ不可侵条約を破ってソ連に侵攻すると、当時の近衛内閣では、四月に締結された日ソ中立条約を破棄してでも同盟国としてソ連と開戦すべきとする松岡洋右外務大臣と近衛文麿首相との間で閣内対立が起きている。近衛...
中国関連

GHQが焚書処分した日中戦争に関する本~~本多熊太郎『欧洲情勢と支那事変』

「支那事変」は、昭和十二年(1937年)七月七日の盧溝橋事件から始まった日中紛争を意味するが、当初は「北支事変」と呼ばれ、戦域が拡大してから「支那事変」あるいは「日支事変」と呼ばれるようになり、戦後は「支那」という言葉は避けて「日華事変」と...
GHQ焚書

GHQが焚書処分した「近代」「現代」をタイトルに含む本~~平野零児『近代戦の正体』

最初に昭和十二年に出版された平野零児 著『近代戦の正体』という本の一節を紹介したい。文中の「世界大戦」というのは、今でいう「第一次世界大戦」のことであるが、非常に重要なことが記されている。  世界大戦は、武力のほかに「見えざる力」思想のプロ...
GHQ焚書

GHQが焚書処分した「太平洋」をタイトルに含む本~~中川秀秋『太平洋波高し : 日本を襲ふ魔手の正体』

GHQが戦後没収廃棄した本のリストから、タイトルに「太平洋」を含む書籍を調べると、全部で61点あり、そのうち23点が「国立国会図書館デジタルコレクション」でネット公開されている。  その中から、中川秀秋 著『太平洋波高し』という本の一部を紹...
ユダヤ人

GHQが焚書処分した「ユダヤ」関連書物~~筈見一郎『猶太禍の世界』

GHQが没収・廃棄した書物リストの中から「ユダヤ」「猶太」「フリーメーソン」「マソン」という文字をタイトルに含む本を調べると、全部で21点存在する。そのうち「国立国会図書館デジタルコレクション」で7点がネット公開されている。  ユダヤ人に関...
GHQ焚書

GHQが焚書処分した「共産主義」「共産国」に否定的な書籍~~中保与作『赤色アジアか防共アジアか』

GHQは「共産主義」「共産国」に対して否定的な立場で記された本を多数没収廃棄している。一方、共産主義者の著書は殆んど廃棄されていない。近年ソ連の暗号文書など研究が進み第二次大戦に於けるソ連の関与が解明されてきているが、戦前にそのことを指摘する識者が少なからず存在したものの、そのような本がGHQにより焚書されたことを知るべきである。
GHQ占領下

GHQの定めた検閲指針がわが国のマスコミなどで今も実質的に守られている理由

1946年11月25日付の公文書にGHQが「削除または掲載発行禁止」とした30項目が掲げられている。戦勝国に対する批判だけでなく、中国、朝鮮人に対する批判までもがその対象とされている。GHQは、日本人の歴史観が連合国にとって望ましいものでありつづけるため、さらに公職追放により、マスコミなどから保守の有力者を排除した。
関東大震災

震災直後の朝鮮人殺害は流言飛語によるものとする通説への疑問

当時の記録を読むと、地震直後に朝鮮人による放火や掠奪が起こっており、ダイナマイトも多数押収されている。朝鮮独立を目指していた義烈団は大正10年に裕仁皇太子(後の昭和天皇)を誘拐する計画を実行しようとしたし、上海仮政府は大正12年の皇太子の結婚の儀にテロを行う計画があった。偶々大震災が起こり、テロを行う好機と考えたとの朴烈の証言もある。
関東大震災

関東大震災のあと避難者たちが「朝鮮人暴動」を怖れたのはなぜか

通説では関東大震災の混乱の中で「朝鮮人暴動」の流言が広まり、これに不安を感じた住民の自警団が多数の朝鮮人を殺害したとされている。しかしながらそのような流言がなぜ広まった時代背景や殺害の具体的な記述がされることはない。 当時の新聞を読むと連日朝鮮人による犯罪やテロ準備の記事が出ているのだが、この事実を書かないのは歴史叙述として公平でないと思う。
ロシア・ソ連

レーニンが創設したチェーカーに付与された怖ろしき権限

ロシア革命以降チェーカーが設立され、裁判所の決定無しに即座に容疑者を逮捕、投獄、処刑を行う権限が与えられたのだが、この組織がロシア人の大量虐殺に関与した。ブルジョアジーや教会は財産が没収され、多くが処刑されたのだが、このような共産主義国の負の側面はわが国では殆んど伝えられていない。
ロシア・ソ連

ロシア革命の活動資金を誰が支援し、レーニンら革命政府の指導者は最初に何を実行したのか

ロシア革命の活動資金はジェイコブ・シフ等のユダヤ人が出していた。ロシア人口に占めるユダヤ人は全体の6%程度であったが、革命政府の要職に就いたのはほとんどがユダヤ人であり、革命直後に政府が実行したのは、富豪・貴族・僧侶らの虐殺であり、「ロシア革命はユダヤ革命」と広く認識されていた。