欧米の植民地統治

スパイ・防諜

『英国スパイ五百年史』を読む~~その2

「アラビアのロレンス」 T.E.ロレンス (Wikipediaより)  T.E.ロレンスの生涯とオスマン帝国からのアラブ独立運動を描いた『アラビアのロレンス』という映画がある。1962年に公開され第35回アカデミー賞を受賞した作品だが、T....
欧米の植民地統治

戦後日本人に知らされていないインドの歴史~~『印度』(GHQ焚書)を読む

以前このブログで武藤貞一の本をいくつか紹介した。 この人物は今ではほとんど知れていないが、調べると、戦前の昭和十一年から「大阪朝日新聞」の論説委員となり、「天声人語」欄を執筆。昭和十四年に「報知新聞」の主筆となり、戦中の昭和十七年に読売新聞...
中国排日関連

中国に権益を得た欧米列強はいかにして中国民衆を味方につけたか~~大正4年の新聞記事を読む

このブログで「中国排日」について何本かの記事を書いてきた。中国に於ける排日運動が活発化したのは、第一次大戦後の一九一九年(大正八年)に開催されたパリ講和会議においてわが国が提案した人種差別撤廃案が否決された以降のことである。この時に中国人に...
欧米の植民地統治

ロシア・英国の中央アジア侵略を知る~~『アジア侵掠秘史』を読む:その2

前回に引き続き、桑原三郎著『アジア侵掠秘史』(GHQ焚書)のなかから、戦後日本人にあまり知られていない歴史を紹介したい。  今では世界最大の国土面積をもつロシアだが、そのルーツは、現在のロシア北西部、ウクライナ、ベラルーシにかつて存在した「...
欧米の植民地統治

悲惨だったアジア人奴隷~~桑原三郎『アジア侵掠秘史』(GHQ焚書)を読む その1

「国立国会図書館デジタルコレクション」で「個人向けデジタル化資料送信サービス」の手続きをすることで、大半のGHQ焚書が読めるようになる。今回は昭和十六年に刊行された桑原三郎 著『アジア侵掠秘史』という本を紹介したい。この本は、過去五百年近く...
GHQ焚書

日本地政学の見地から「大東亜」を考える『地政学上より見たる大東亜』を読む~~2

英国によるオーストラリア大陸侵略  前回記事で小牧の地政学について一部紹介させていただいたが、今回はこの日本地勢学の考え方から「大東亜」の各地について解説している部分を紹介させていただく。最初は小牧が「南アジア大陸」と呼んでいいとしたオース...
GHQ焚書

小牧実繁 著『地政学上より見たる大東亜』(GHQ焚書)を読む~~1

戦後の長きにわたりタブー視されてきた「地政学」  「地政学(geopoliics)」という学問は、民族や国家の特質を、主として風土・環境などの地理的空間や条件から説明しようとする学問であるが、小牧実繁は戦前・戦中においてこの分野で活躍した代...
戦争文化叢書

今も親日国の多い南洋群島の、日本による委任統治時代を考える~~「戦争文化叢書」を読む8

太平洋に点在するポリネシア・メラネシア・ミクロネシアの島々は、今では「南の楽園」などと呼ばれているが、この島々はかつてわが国の領土であった。  17世紀になってスペインがこの地域一帯を植民地化し、フィリピンと共に「スペイン領東インド」を形成...
戦争文化叢書

イギリスの伝統的な植民地統治手法である「分割統治」とは~~「戦争文化叢書」を読む3

前回に引き続き、戦争文化叢書 第25輯の『英国の世界統治策』を読み進もう。 この本の第三章は「分割して支配する」だが、わかりやすく言えば、ある者が統治を行うにあたり、被支配者を分割することで統治を容易にする手法である。英国はこの手法で世界各...
戦争文化叢書

イギリスこそが世界最大の侵略国だった~~「戦争文化叢書」を読む2

前回はに引き続き、GHQが大半の書籍を焚書処分した世界創造社の「戦争文化叢書」の中から、今回は『英国の世界統治策』(GHQ焚書)という本を紹介させて頂きたい。 イギリスは如何にして植民地を獲得したのか  この本の第一章は「如何にして植民地を...
国会図書館デジタルコレクション

朝日新聞社が、戦前・戦中に刊行した本~~『植民地の再分割』『米国への判決』『陸軍』

著作権保護期間終了しても多くの書籍が国会図書館でネット非公開  一昔前の大手新聞社は世界各地に特派員を送り込んで様々な情報を集め、今よりもはるかに質の高い記事を載せていた。本屋には、大手新聞社が発行した国際情勢や時事問題に関する解説書が平台...
欧米の植民地統治

オランダの三百年にわたる植民地統治手法~~GHQに焚書処分された『蘭印現状読本』『蘭印の設営』

オランダは、 江戸時代初期から幕末に至るまで、西洋諸国では唯一わが国が外交貿易関係を維持し続けた国だが、第二次大戦では オランダ領東インド政庁が独断で宣戦布告し、わが国と戦った国でもある。  戦前は現在のインドネシアやボルネオ、西ニューギニ...
欧米の植民地統治

GHQが戦後の日本人に封印したフィリピンの歴史~~奈良静馬『西班牙古文書を通じて見たる日本と比律賓』

今から六年ほど前に奈良静馬著『西班牙(スペイン)古文書を通じて見たる日本と比律賓(フィリピン)』という本を「国立国会図書館デジタルコレクション」で見つけて読んだときに、倭寇や豊臣秀吉に対する見方が変わってしまった。この本には、戦後の歴史叙述...
欧米の植民地統治

GHQ焚書点数が2番目に多い仲小路彰の歴史書には何が書かれているのか~~『米英の罪悪史』『太平洋侵略史』

GHQが戦後の日本人に読めないようにした書籍を著者別に並べると、一番多いのが野依秀市のもので二十四点、二番目が仲小路彰で二十三点、三番目が長野朗で十八点となる。長野朗の著作は前回紹介したので、今回は仲小路彰の著作の一節を紹介したい。  仲小...
欧米の植民地統治

GHQが戦後の日本人に封印したイギリスのインド統治方法について書かれた本~~『英帝國敗るるの日』

以前このブログで、かつて豊かであったインドが、イギリスの植民地となって以降富が奪われて行ったことを書いたのだが、戦後の日本人はイギリスという国は紳士の国だと学校で教わり、イギリスがそのようなひどいことをしたことはマスコミなどでも伝えられるこ...
欧米の植民地統治

GHQが戦後の日本人に封印したオーストラリアの歴史書など~~宮田峯一『濠洲連邦』

GHQの焚書リストを見ていると、なぜこんなテーマの書籍を没収廃棄を命じたのかと思われるタイトルの本がかなりあるのだが、オーストラリアに関する歴史書がなぜ封印されたかについては、実際に読んでみるとよく理解できる。多くの焚書本に書かれていること...
GHQ焚書

GHQに焚書処分された英国関連書籍~~松井賢一『打倒英国』

GHQは戦後の日本人に読めないように、市場で流通していた7千点以上の書籍を没収廃棄したが、その中身を見ると外国に関するものが大量に存在する。これ等の書物には、戦勝国にとって都合の悪い史実が満載で、多くの人に読んで頂きたい本がかなりある。  ...
GHQ焚書

GHQが焚書処分した外国人の本、及び外国語で出版された本~~『虐げられし印度』、 『国防と朝鮮人』

第二次世界大戦後日本へ進駐してきたGHQ( 連合国軍総司令部 )が、昭和二十一年から二十三年(1946~48年)にかけて、当時わが国で流通していた書籍のうち7769タイトルの単行本やパンフレットを「宣伝用刊行物」と呼んで没収・廃棄し、戦後の...
GHQ焚書

GHQに焚書処分された西洋・欧米に関する書籍~~福沢桃介 『西洋文明の没落 : 東洋文明の勃興』

戦後になってわが国に関する史実の多くが封印されたことは何度も書いてきたが、わが国とは無関係な史実についても多くが封印されている。たとえば「奴隷制」に関する問題がそうだが、戦前・戦中にはこの問題は普通に論じられていた。 福沢桃介(45歳の頃)...
欧米の植民地統治

GHQに没収・廃棄されたアジア・東洋をタイトルに含む書籍~~『大東洋の危機 : 英国よアジアより手を引け』

第二次世界大戦が起きる前のアジアは、タイ国と日本を除いてはすべてが欧米列強の植民地であった。彼らの植民地統治が如何なるものであったかは戦後の日本人にはほとんど知らされていないが、戦前の日本人は欧米に侵略され続けてきたアジアの歴史について解説...
欧米の植民地統治

GHQが焚書処分したフランス、フランス植民地に関する本~~田沢丈夫『仏印事情』

GHQ焚書のリストからフランスに関する本を探していると、没収廃棄されて戦後の日本人に読めなくされている本は、フランス本国に関する本よりもフランスの植民地に関する本が圧倒的に多い。  今のベトナム・ラオス・カンボジアは戦前はフランスの植民地で...
開国前後

船上で暴動を起こし石垣島に上陸した中国人苦力(奴隷)の話~~1852年ロバート・バウン号事件

1852年に米国のロバート・バウン号に乗っていた中国人苦力(奴隷)たちが船長と船員を殺害し、石垣島崎枝村沖合で船が座礁すると380人の苦力が島に上陸した。その後英米の武装した兵士により80名の苦力が捕獲され約百名が殺害された。石垣島の観音崎には、この地で犠牲になった中国人苦力のために建立された唐人墓がある。
中国

アヘン戦争、アロー号事件のあとイギリスが中国に押しつけた不平等条約

インド産アヘンの最大の輸出先は中国であった  前回の記事で、イギリスがインドを世界最大のアヘンの生産地としたことを書いた。アヘンはインドでは幼児の頃から吸引することが推奨されていたが、大半のアヘンは外国に輸出され、最大の輸出先はシナ(中国)...
欧米の植民地統治

GHQにより没収・廃棄されたアヘン戦争、アロー号事件に関する書籍リスト

戦後GHQは多くの書籍を没収廃棄しましたが、戦勝国にとって都合の悪いことが書かれた書物がかなりの割合に及ぶことが分かります。  イギリスのインド統治についてもそうですが、アヘン戦争やアロー号事件はイギリスにとっては隠したい真実であり、これら...
欧米の植民地統治

GHQに没収・廃棄された、「侵(略)」「統治」「支配」「搾取」の文字をタイトルに含む本

GHQが戦後の日本人が読めないように没収・廃棄した様々な書物の中から、「侵(略)」「統治」「支配」という文字をタイトルに含む本を40冊リストアップしてみました。
英領インド

アヘンをインド人に奨励したイギリス

イギリスはインドを世界最大のアヘン産地とし、約半分をインドで消費させるために、インド人にアヘンの消費を推奨した。子供たちは二歳になるまでにアヘンを飲まされ、そのため多くの子供は死に、平均寿命はわずかに26歳であった。イギリスはアヘンの有害性を認識していたが、単に財政上の理由ではなく、インド弱体化のためにアヘンを用いたと考えられる
英領インド

かつて豊かな国であったインドがいかにしてイギリスに富を奪われていったのか

ムガール王朝のシャー・ジャハーンの治世はインド・イスラム文化が花を開き豊かな国であったのだが、イギリスがインド全域における覇権を確立した後1765年にベンガル地方の徴税権を獲得すると、インドを搾取するようになり、インドの村落制度は崩壊し、農民を飢餓に追いやった。
英領インド

GHQが焚書処分したイギリスのインド統治に関する本には何が書かれていたのか

GHQが焚書処分にした、ラス・ビハリ・ボースの『インドの叫び』には、戦後の日本人に知らされなかった、イギリスのインド統治の実態が記されている。かっては読み書きできる国民が多かったが9割以上が文盲となり、重税が課されて毎年のように飢饉が起きた。1919年4月には無辜のインド人数百名が虐殺された。
欧米の植民地統治

イギリスのインド統治に関わるGHQ焚書のリスト

GHQは戦後七千点以上の書籍を日本人が読めないように没収廃棄しましたが、処分されたのは日本人の戦意を高揚させるような書籍は必ずしも多くなく、戦勝国にとって都合の悪い歴史が書かれた書籍の多くが処分されていることはあまり知られていません。  こ...
「鎖国」前後のアジア諸国

台湾からオランダを追い出した、日本人を母に持つ台湾の英雄

寛永十二年に日本人の海外渡航と国外にいる者の帰国が禁じられ、そのため朱印船が台湾に向かうことがなくなり、オランダが台湾を植民地にした。日本人を母に持つ鄭成功は、明を滅ぼした清と戦うため、台湾を拠点にしようとしてオランダ勢力を追い出してしまう。もし鄭氏政権が起こらなければ、おそらく台湾は二次大戦までオランダの植民地であり続けたことであろう。
「鎖国」前後のアジア諸国

台湾を占領したオランダと戦った日本商人・浜田弥兵衛

オランダが侵略する以前の台湾の記録  台湾に関する古い記録を探していると、柴田賢一 著『日本民族海外発展史』の記述が目に止まった。日本人たちは戦国時代から、台湾に勢力を伸ばしていたのである。  支那人はこれを領土と称してはいたが、その実支那...