日本海軍のユダヤ人問題研究者・犬塚惟重
戦前の新聞はにユダヤ人問題に関する記事や論考が多数出ていて、当時のわが国では、世界情勢を正しく理解するためにはユダヤ人問題の理解が重要であることが一部の識者で主張されており、新聞の読者の関心も強かったようなのだ。

昭和十二年(1937年)七月の盧溝橋事件を発端にわが国は支那事変(日中戦争)に巻き込まれていったのだが、昭和十三年十一月二十三日から三回に分けて読売新聞に『事変とユダヤ人問題』という論考が連載されている。著者の宇都宮希洋はペンネームで、本名は当時海軍大佐であった犬塚惟重である。犬塚はこの論考を書いた翌年の昭和十四年三月から約三年間にわたり、日本海軍のユダヤ人問題対策機関である「犬塚機関」を指揮したという。
Wikipediaによると、昭和十四年に犬塚機関が上海のフリーメイソンリーの三拠点を強制捜査し、祭祀用具や文書などを大量に押収し、「犬塚の死後、未亡人となった犬塚きよ子が、それらの『上海フリーメイソン文書』を公開し、ソ連・支那のメイソンが大東社系である事、当時の中国国民党内部に支那人のメイソンが多数居た事や、彼らがフリーメイソンリーを介してアメリカ・イギリスの意向を汲む行動を取っていた事などが、明らかとなった」と書かれている。
フリーメーソンの「大東社系」というのは、イギリス本国のフリーメーソンとは異なり、積極的に社会改革を推進する一派のようだが、フリーメーソンの「大東社系」が世界の戦争や革命などに関与して来た史実は、戦後の歴史叙述においては未だに「陰謀論」扱いのままである。
犬塚は、ユダヤ人問題に関して『悪思想の根源:猶太禍を疑う人の為に』、『支那経済制覇を完成しつつある国際猶太財閥の活躍』、『支那事変をめぐるユダヤ民族の動向』等の著作を残したが、彼の講演を書き下ろした『支那に於ける英国の動向と猶太の勢力』という本が戦後GHQによって焚書処分されている。
自動車王喝破
では、彼が宇都宮希洋というペンネームで書いた『事変とユダヤ人問題』という論考に何が書かれているのであろうか。今回は連載記事の一回目(十一月二十三日分)の記事「動く”求利”の魔手 彼等への認識改めよ」を紹介させていただく。「事変」というのは「支那事変(日支事変)」のことで、今では「日中戦争」と呼ばれている。

ロンドンタイムスの元主筆故ウイッカムスチートは「作家も政治家も外交官も思い切ってユダヤ人問題に手をつけなければ一人前でない」と書いているが、彼は欧洲大戦*中英国宣伝謀略ブラックチェンバー、クリューハウスに立籠り、対澳洪国**宣伝部長として辣腕を揮い、戦線の澳軍を宣伝の毒ガスで戦意を失わせ崩潰させた殊勲者であるから意味深長である。
*欧州大戦:第一次世界大戦 **澳洪国:オーストリア=ハンガリー国日支事変の進展に連れ今まで背後に隠れておった世界の癌といわれるユダヤ人問題も、日本朝野のうちに少なからず認職されて来た。近来殊にドイツ外交官の暗殺問題を機としてユダヤ人問題はいよいよ政治に外交に世界的の波紋を投げかけている。
然らばユダヤ人問題とは何か。自動車王フォードは今から十九年前、その著書国際的ユダヤ人の序言に、
「ユダヤ人問題とはただの周知の事柄、即ち財政及び商業上の支配、政権の壟断、あらゆる生活必需品の独占、及びアメリカ言論機関を意の儘に操縦する事等に関係する問題に止まらないで、現今においては文明の実生活界中にも侵入しているのである。ここにおいてか該問題は全アメリカ人の死活問題となった次第である。
なおユダヤ人問題は南アメリカにも関係する問題であって、今や大いにその範囲を拡張して南北を通じ全アメリカの諸事件に関連する脅威的一成分となっている。
またユダヤ人問題は諸国民を不安ならしめる計画的組織的擾乱の危険な現象と頗る重大関係を有し、しかも決して新現象ではなくその根源は遠く過去に存在し、この長期間の継続は各種の変化過程を示し、過去は現在の、現在は将来のための次の過程の準備となって進むべき道を明示し来ったものである」
『神戸大学新聞記事文庫』人種問題3-32

「自動車王」というのは、フォード・モーターの創設者であるヘンリー・フォードで、反ユダヤ主義者として知られている。引用されている文章は彼が一九二〇年に書いた『国際的ユダヤ人』という本の序文の一節である。
この本はわが国では昭和二年にドイツ語訳本から邦訳された『世界猶太人網』として刊行されたが、一九九三年に徳間書店から『国際ユダヤ人』として翻訳出版され、「国立国会図書館デジタルコレクション」の「送信サービス」で無料で読むことが可能になっている。まだ数ページをペラペラ読んだだけだが、現在の世界情勢を理解する上でも参考になりそうなので、いずれじっくり読むこととしたい。
独少佐の先見
続けて犬塚はさらにイギリスの政治家で獣医師であったアーノルド・リースと、ドイツのアルフレッド・ストッス少佐のユダヤ人観を紹介している。
更に英帝国ファシスト連盟の指導者アーノルド・リース氏は
「英国のファッシストはユダヤ財閥に依って代表されている金権政治に対抗して、英国人のための真の英国政府を再建するのだ。吾々の敵は人類平等や偽善に満ちた国際主義の名に隠れて英国大衆の金を捲上げ、過激派と国際連盟と国際決済銀行と金本位制を武器として各国民の伝統精神を亡ぼさんとするユダヤ人である。今日英国と仏国とが提携しているのは民族的な真の提携ではなくそれは両国政治の要衝を握っている国際的ユダヤ財閥のやっていることだ」
といっている。また今事変三年前にドイツのストッス少佐著「ユダヤ人と日本の戦」中に彼は、今日の日支衝突をユダヤ人世界支配の経済戦思想戦上必然的帰結としてドイツ人一流の科学的克明な態度で論破しているが、今日これを見ると不幸にして彼の所論予言が的中した結果となっている。彼は
「国際ユダヤ人は、彼等の支配する世界経済の目的に合致せしむるため、諸民族の協力性の基調たる団結を破壊しこれを分裂奴隷化せしめ、更に永遠にわたる金の独占と投資の自由を確保するために、非ユダヤ民族をして幾代にもわたって負債を負わしめた。今日の世界金現在高を数倍超過する程の厖大なる借財を全非ユダヤ民族のうちに負わしめた悪魔的な種々の戦争は、ユダヤ世界経済の目的逹成のために工夫された彼等の方策中の尤なるものである。彼等は断じて自ら戦争に参加することをしない、しかしながら彼等は他の諸力を交互に戦争に駆り立て勝者も敗者も共に従属的な生活を余儀なくするように仕向けるのである。」
と書いている。非常時は問題を単純化する傾向があるが、隠れたるユダヤ人問題もまた少なからず表面暴露されて来た。これ等を冷静に検討すると日本知識階級の従来の国際常識は甚だしく不備な点のあったことが判る。ユダヤ人問題はその認識不足の一適例を提供するものである。故に、それについて記載して見よう。但しお断りして置くが余はここに鄙見を開陳せんとするものではない。内外ユダヤ人問題研究機関または個人の意見を過去十九年間の経験を基とし公平に綜合し読者に紹介せんと試みるものである。

アルフレッド・ストッス の著作は昭和十三年に『猶太と日本の戦ひ』という書名で翻訳出版され、戦後GHQによって焚書処分されたのだが、ありがたいことに「国立国会図書館デジタルコレクション」の「送信サービス」で無料で読むことが出来る。ちなみに、引用部分の続きも重要なことが書かれているので紹介したい。「…仕向けるのである。」に続いて、次のように記されている。
斯樣にしておけば、彼等は、ユダヤ世界経済の必要に応じて何時たりとも他の諸民族又は諸国家をコントロールすることが出来るのだ。すなわち彼等にとっては、他の諸民族の力を弱めて置くということが最も必要なる条件の一つなのである。かくしてユダヤ世界経済と世界戦争とは互いに相拠り相扶けるのである。
ユダヤ世界経済は、 それ自身においては非生産的であり、 消耗的である。 従ってそれは、人間を漸次自己のためではなく金のために働かせる処にのみ成立する。かくの如き状態の下に於いては、人間は愈々その生活標準を低下せざるを得ない。しかも従属的非ユダヤ民族の生活標準を徹底的に低下せしめ、ユダヤ世界経済の存立の基礎を益々強化せしむるためには、再び戦争が最適の手段たることは疑いのないところである。
アルフレッド・ストッス 『猶太と日本の戦ひ』政教社 昭和13年刊 p.12-13
ユダヤはこのように非ユダヤ民族の国々を戦争に巻き込んでそれぞれを弱体化させ、ユダヤによる世界経済支配力の基礎を固めていったというのだが、今もウクライナやイランで行われている戦争で誰が得しているのかをよく考えた方が良い。
仏の援蒋裏面
また犬塚は当時フランスが反日に傾いていたことは、ユダヤ人の動きと関係があることを述べている。
最近に至ってフランスの反日態度が著しく日本朝野を刺激しているが、これは必ずしも仏国民若くは仏政府を責むべきものではなく、仏国朝野に蟠踞する特殊民族の動向と見るべきものである。
仏領印度支那の防備強化、英仏共同対日示威、西沙島占拠事件、或いは仏国の対支借款説流布等を観察すると仏国植民相のマンデルことユダヤ名ジェロボアム・ロチルドの活躍がパリ外交界に話題を提供している。彼は米国ユダヤ人機関誌アメリカン・ヘブリューなどがフランス未来のビーコンスフィルドと激賞している有力ユダヤ政治家である。彼は世界大戦当時クレマンソーの書記官長を勤め大戦外交の裏面に暗躍した男で、虎のクレマンソーの背後にあるグレーハウンドとして外交界に有名であり、現今でもムソリーニ首相は彼をフランス政府の黒幕として睨んでいる事は同誌、即ちユダヤ人自ら書いている所である。何故に彼が閣僚中の反対説を排して反日行動に出ているか? それは要するに支那における仏国ユダヤ財閥ドレヒュース等の権益擁護の同胞的感情が多分に支配しており、またユダヤ人の仇敵ナチス・ドイツの盟邦たる日本が憎いからに外ならない。進退に兔角の噂のある駐支仏国大使ナヂャール氏もユダヤ人である。彼は極東ユダヤ人王国といわれる上海の同族の誇りとする所の熱心なるユダヤ民族主義実践者である。序にいえばヒューゲッセン前駐支英国大使もユダヤ人である。更に支那における外国権益なるものを検討すれば上海、香港を中心とする国際ユダヤ財閥の権益と称しても過言でない。
このようにフランスの政界や外交官の主要ポストにユダヤ人が就いていたのだが、アメリカもイギリスも、ソ連も国連も同様の状態にあり、支那の外国権益も国際ユダヤ財閥に繋がっていたことは、戦後の日本人にはほとんど知らされていないのである。

当時のフランスが反日色を鮮明にしていたことを伝える新聞記事を探していると、昭和十四年一月二十八日の大阪朝日新聞の記事が見つかった。わが国が駐仏大使の交代をフランス政府に打診したところ、新大使を予定していた谷公使が、前年夏に新聞記者会見でフランスが蒋介石を支援していることに言及したことを理由にフランスがこの人事を承諾しなかったため、わが国は当面大使を任命しないことにしたという。なぜこの時代にわが国が孤立していったかは、ユダヤ人がわが国をどのようにしようとしていたかを知る必要があるのだと思う。
戦後になってユダヤ人問題が過去の戦争にどうかかわっていたかについて新聞やテレビで解説されることは皆無であり、戦後に出版された歴史解説本などで、ユダヤ人問題と絡めて日中戦争が論じられることは目にすることがほとんどないのだが、戦前の日本人の多くが認識していた程度のことは知っていないと、この時代の歴史を正しく理解することは出来ないのではないだろうか。
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