第一次世界大戦以降も世界に暗躍したユダヤ人 満州日日新聞『ユダヤ問題を衝く』2

ユダヤ人問題関連

第一次世界大戦とユダヤ力

 引き続き満州日日新聞の『ユダヤ問題を衝く』の内容の一部を紹介させていただくが、次に座談会の話題は第一次世界大戦にユダヤ勢力がどのように関わったかという話題となる。最初に満鉄上海事務所顧問の長谷川泰造が第一次世界大戦の勃発した原因について次のように発言している。

長谷川 近世史を繙いて見ると、世界大戦の原因は六月二十八日にサラエボでオーストリアの皇太子が一セルビア青年のために狙撃されたことが原因であったかのように書かれておるが、私共はそれに対して別個な考えを持っておる。
 特にこれは私共がそういう意見を創作したのではなくして種々な資料があって、それに拠る世界大戦というものは、六月二十八日のサラエボ事件があった既に二週間も前において決定されておる。それからもう一つ溯ると、一九一二年の九月十五日に発行されたフランスにある「国際秘密結社評論」の中にあるスイス人のフリーメーソンの言葉としてオーストリーの皇太子が殺されると、未だ皇位に上らない前に殺されるということを予言した記事があるのである。これから見てもオーストリー皇太子フェルヂナンド太公を暗殺しようという計画はその以前からあったものであって、しかもこれがユダヤ人によって計画されておる、或はフリーメーソンの関係者に依って計画されておるということは明らかに分るのであります。
 このフェルヂナンド太公を射殺した下手人はユダヤの青年でブリンチーブといい、これはフランスのフリメーソンの結社であるグラン・トリヤンから武器その他を受けて太公殿下を射殺する当日はやはり同じようにサラエボにあるフリーメーソン結社で御飯を食べて出かけたのであるということである。

 それから経済上のことからいうと、これは世界大戦が終ってから大分経って発表されたものであるけれど、シッソンという人が出したシッソン・レポートというものがある。この中には世界大戦の原因はオーストリー皇太子暗殺ではない。先程申したように、その二週間以前にこれが決定しておるのである。その二週間以前にはドイツ皇帝は全ドイツの工場に或は会社に向って戦時動員令を降しておる。それから見ても我々が普通に考えておるサラエボ事件というものはヨーロッパ大戦の原因ではなかった
 シッソンはそれに対して別個な考えを持っておる、一九一三年の終りにアメリカでは連邦準備銀行令というものが布かれ、これに依ってユダヤ人がアメリカの財界を完全に支配する仕組が出来たのである。それと同時に連邦準備銀行を通してドイツにある金融界を支配することが出来るようになった。それから又イギリスにある銀行界をも支配することが出来るようになった。謂わば世界大戦の財政を彼等の手でどうにでもなるような体制がこの時に出来上ったのであってその上でこの大戦が始まったのである。これは世界大戦の原因として非常に面白い観方ではないかと思う。

 学生時代に第一次世界大戦について、ボスニアのサライェヴォでオーストリア帝位継承者夫妻がセルビアの青年に暗殺された事件が引き金となったと学んだ記憶があるのだが、戦前に刊行された歴史研究書には長谷川氏と同様の指摘をしている書物が存在する。例えば仲小路彰の『世界興廃大戦史』第41巻(GHQ焚書)には暗殺事件の後「フランスのマッソン機関紙アカシアは、その暗殺をもって英雄的行為なりと賞賛した」と書かれている。「マッソン」というのは「フリー・メーソン」と同義で、戦前では「ユダヤ問題を解決し、世界支配するために結成された秘密結社」と考えられていて、サイェヴォ事件だけでなく各国の革命やテロ事件に関与してきたことが知られていた。

 世界のどの国も、自国の生産活動に必要な物資を自給できるわけではないので、戦争が世界規模になるとたちまち、重要物資の調達が難しくなることは容易に想像できる。長谷川氏によると、戦争になってユダヤ人は中立国に要るユダヤ人から物資を調達して戦争国に流して大きな利益を得たのだが、ユダヤ人を虐待してきたドイツに対しては食料品価格を暴騰させて復讐したようだ。

長谷川 中立国にあるユダヤ人とドイツ内のユダヤ人はかなり連絡を取っておって、中立国を通じてドイツに物資が流れ込んで来たことは事実ですが、これはシュトルトハイムの書物を見ても分るドンドン物資はドイツに入った、それがドイツの消費者の手に入るまでにはユダヤ人の間をドンドン通って運賃と儲けを払って、食料品等に至ってはドイツ人の口に入る時には既にもう口に入れることの出来ないような状態になったものもあるというようなことが書いてある。武器その他もドイツ内に流れ込んだのは中立国と国内にあるユダヤ人を通してであるということは判っきり分るわけです

シオニズムの問題について

 古代にローマ帝国を追われて世界各地に離散したが、十九世紀後半のヨーロッパでユダヤ人たちは激しい反ユダヤ主義の迫害を受け、自分たちの祖先の血であるパレスチナに国家を再建することを求める運動が生じ、そのような運動をシオニズムと呼んでいる。
 第一次大戦中の一九一七年にイギリスはバルフォア宣言を出してパレスチナにおけるユダヤ人の郷土建設に対する保障を約したことにより、シオニストたちはパレスチナがイギリス委任統治領となる一九二〇年以降、ユダヤ人入植を推進し、三〇年代には現地パレスチナでは、シオニスト機関によって、非ユダヤ教徒アラブ住民に対する土地没収や労働機会の締め出しが推し進めらた。しかしながら先住民族であるパレスチナ人への十分な配慮がなく、シオニズム勢力とアラブとの対立は激化したなか、一九四八年にイスラエル共和国が樹立されたが、今もパレスチナ問題という難問を抱えたままの状態である。

 この座談会で長谷川は、シオニズムが成就しても、ユダヤ人の世界征服の野望が消えることはないという問題を指摘している。

長谷川 アメリカにルイス・マーシャルといって、ユダヤ団の一方の団長がおるが、ルイス・マーシャルが嘗て言ったことがある。それはシオニズムとはこれを表面的に説明して云うと、ユダヤ人が祖国を造ってそこに復帰するという運動です。併しこの運動は恰度鈎かぎのようなものでる。その鈎は鋭い剣を引っ懸けて置くのに都合の宜いものである。この鋭い剣とは一体何であるか。この剣とは世界征服であるということを、ルイス・マーシャルが言った。これは非常に味うべき問題ではないかと思う。

プロトコールの序文既ちセルヂ・ユルスのプロトコールを独訳したベックという人がその序文の中に書いてあるが、プロトコールを全部読んだ後の印象はシオニズムというものは世の中を瞞着するたあの方便に過ぎない。彼等の考えているところは世界征服であると言っている。シオニズムというのは問題なんですね。彼等だけが集まって生活すればそこに困難がある。どうしてかというと、彼等は労動を嫌って居る。生産を嫌って居る。しかしこれは他の国の責任ではないのですからね。そのために彼等が滅亡しなければならないような状態になったら彼等は彼等で働いて彼等の生活に必要に物資は生産して行ったら宜いし、それを全部他国、他民族の労動に依存しなければ行けないというようなことをして来たということが彼等の間違いではないか、それを是正してやらなければらないのではないか。問題はどこかの国が彼等を入れるということです。

 古代以降ユダヤ人たちは世界離散し、長い歴史の中で彼らの大部分は自らは労働することなく、他国・多民族の労働に依存して生活を送って来た。もしユダヤ人の国家が成立した場合に、彼らがその国に移り住み労働して生活をすることを選択するであろうかと、長谷川はシオニズムの問題点を聴衆に問いかけている。
 実際に一九四八年にイスラエル共和国が成立したのだが、これでユダヤ問題が解決したわけではなく、彼らが情報や金融を支配している構造は今も変わらない。

アメリカの政界・経済界とユダヤ人

 当時の米大統領のルーズヴェルトは祖先をたどっていくと十七世紀の終わりにオランダからアメリカに移住したユダヤ人に繋がるという説があるが、本人はユダヤ人であることを否定していたようだ。しかしながら、彼の政治はユダヤ勢力の意向に沿うもものであったという。。政財界には多くのユダヤ人が幅を利かせていたようだが、当時のアメリカでユダヤ勢力が政財界にどのような影響力を持っていたかについて、ユダヤ問題研究者の浜野末太郎と長谷川泰造が次のような発言をしている。

浜野 …今日政治的にルーズヴェルトがやっておることが全くユダヤの政策であり、彼を取巻いておるブレン・トラストの連中が全部ユダヤ人で固められておるという事実から観ても、ユダヤ人がルーズヴェルトの陰にあって策動しておる。ルーズヴェルト自身がユダヤを利用してやっておるので、ルーズヴェルトの血管の中にはユダヤの血が流れておるということが最近言われております。

長谷川 アメリカは世界を動かしておるような国であるが、あれはアメリカの内部ユダヤ人が世界中の金融界を支配しておるような状態であって、アングロサクソンばかりがあのアメリカの力となっているのでないでしょう。例えばアメリカの金融界に覇を唱えておる連中、この顔触れを見てもフェリックス・ワーブルグ、ゼコブ・シッフの息子のマーチモア・ワーブルグ等が現在のアメリカのほんとうの親玉である。彼等は殆ど全部がドイツ系のユダヤ人で、極く近代になってからドイツから渡って来たのである。彼等がアメリカの国籍を取得したのも極く新しいのです。しかもロシアの革命をやったのも彼等だし、世界大戦の財政を殆ど動かしていたのも彼等なんです。

「ゼコブ・シッフ(ジェイコブ・シフ)」というのは、高橋是清が日露戦争の戦費調達の為に英米を訪れた際に、外債を引受けてくれた人物で、当時はニューヨークの銀行(クーンローブ商会)の会長であった。確かにわが国は、ユダヤ人の支援により日露戦争に勝利したのであるが、シフは帝政ロシア打倒の為に、レーニンやとロッキーにも資金提供してロシア革命を支援した人物である。ロシア革命はユダヤ人が仕掛けたものであり、日本軍は彼らの目的を達成するために戦わされたと理解すべきかもしれない。

アメリカの反ユダヤ運動

 アメリカの政財界の中枢にはユダヤ人の勢力が強かったわけだが、アメリカにはもちろん反ユダヤの勢力も存在した。浜野末太郎によると、反ユダヤ勢力は日本が「日支戦争」(支那事変)で共産主義をアジアから駆逐することを望んでいたという。

浜野 …ユダヤに対して日支事変を、これをこの儘日本に不利にしたり、或いは支那の勝利になるようなことになったならば危険だから、日本を敗かしてはいかんぞという論がアメリカに起きておるが、これはアメリカの反ユダヤの一部から出ておる。

 リベレーションという維誌にも日本が敗北したらアメリカはどうなるか、その結論に日本は国家的生存のために戦っておるので、日本が若しこの戦争に勝たなかったならば忽ち赤露の軍隊に依って圧倒される。日本は又斯ういうことを知っておるし、世界もこれを自覚せねばならない。即ちユダヤの息のかかった共産主義がアジアを席巻してしまう。西半球の日本が唯一の防壁であるということを知れ。そうして共産主義は今やアジアにどんどん進軍しておる日本だけはこの危険を余りに能く知っておる。

 日本人は元来平和の国民である。日本を唯一の堅塁として共産主義をアジアから駆逐してしまわなければならぬ。日支は元々共に親和の友邦であったのだ。然るにユダヤ人の新聞と赤のプロパカンダは日本は領土的野心を以て支那に臨んでおるというようなことを宣伝したのだというようなことを言っておるのですが、これはアメリカにおいてユダヤの運動が、日支事変をして支那を勝たせなければならぬという運動を知って、斯うした宣伝をやっておるわけです

蒋介石はユダヤ勢力と繋がっていた

 支那と日本との戦争を仕掛けるとしたら、支那側にユダヤ勢力と繋がる人物がいなければならないのだが、蒋介石がフリーメーソンであったという話は私も何度か読んだことがある。司会の問いに対して、長谷川氏、浜野氏が次のような発言をしておられる。

本社 ところで蒋介石がフリー・メソンだという説があります

浜野 そういうことを言っておりますね、宋子文も……

長谷川 蒋介石がフリー・メーソンだということは私の方にちゃんと証拠があります。これは昭和十三年に私の手に入った。先程申上げたフランスで出ておる国際秘密結社評論の中にあるのですが、これの題は「東京における日本軍」という中にずっと書いてある。これを見ると、蒋介石のことが書いてある。蒋介石はフリー・メーソンであり、彼が属しておるロッヂはバゴダ・ロッヂである。その中に宋一家のことも一緒に書いてありました。ここに材料を持って来てないのは残念ですが、判っきりそれを見ておるのです

浜野 宋嘉澍(そうかじゅ)というのは宋美齢達の親爺でハワイの成金ですが、あれが支那人出のメーソンの会員で、それの息子、娘をアメリカの学校にやっておるので、その宋嘉樹の関係から宋美齢、宋子文などがメーソンの会員になり得る多分の可能性があり得ると思う

 フリーメーソンの会員であったかどうかは、秘密結社のリストが公開されているはずがはないので確認することは出来ないが、蒋介石夫人の宋美齢は浙江財閥の創始者宋嘉澍の三女で、浙江財閥は阿片の密売で莫大な富を築いたユダヤのサスーン財閥と友好な関係にあったことは事実である。
 また陸軍でユダヤ問題を研究していた犬塚惟重(筆名:宇都宮希洋)は、昭和十四年に上海のフリーメイソンリーの三拠点を強制捜査した際に祭祀用具や文書などを大量に押収し、後に犬塚の妻となる新明きよ子に隠させていた。戦後になってGHQのマッカーサーがこれらの押収物の回収を命じたのだが、当時きよ子は正式に入籍しておらず、実質の妻であることを知られていなかったのでこれらの資料は守られた。

犬塚きよ子『フリーメーソンのアジア管理 』新国民社 1985年刊 p.182-183

 犬塚の死後、その資料を基に夫人の犬塚きよ子が著した著書『フリーメーソンのアジア管理 』によるとメーソン大結社間のトラブルにより、一九三四年七月に中国人メーソンの大部分が除名処分され、バゴダ結社員であった蒋介石や宋美齢、宋子文(宋美齢の実兄で浙江財閥巨頭)らはその時に除名されたようだと書いている。その後中国人は英米租界撤収要求、国権回復、排英米運動を再燃させ、その結果メーソンの反中国人色が後退すると反英米運動が反日排日に転換したことや、西安事件で蒋介石がメーソンに援けられたことなど興味深い話が色々記されている。
 Wikipediaによると、犬塚惟重の遺品はイスラエルの国立記念館であるヤド・ヴァシェムで永久展示されているようだが、その事実からしても彼が集めたフリーメーソンの文書などは重要な現代史資料である可能性が極めて高いと考えられる。戦後のわが国の大学でユダヤ問題の研究は長い間タブー扱いされてきたという事を聞いたことがあるが、犬塚が集めた資料の研究は是非続けてほしいものである。


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