GHQは戦後七千点以上の書籍を日本人が読めないように没収廃棄しましたが、処分されたのは日本人の戦意を高揚させるような書籍は必ずしも多くなく、戦勝国にとって都合の悪い歴史が書かれた書籍の多くが処分されていることはあまり知られていません。
このブログで次回以降イギリスのインド統治について少しばかり記事を書く予定ですが、GHQの全焚書データから、タイトルに「インド」あるいは「印(度)」を含む書籍を検索すると64点がヒットしました。これらの書籍が焚書処分された理由は、GHQが削除または掲載発行禁止の対象とした30項目のうちの7番目にある「英国に対する批判」にあたると判断されたものと考えられます。
これらの書物には驚くような情報が満載ですが、戦後の一般的な歴史書やテレビや新聞などで、このような史実が解説されることは皆無に近いのではないでしょうか。20点については『国立国会図書館デジタルコレクション』でインターネット公開されていますが、戦後になって復刊されている書籍は見当たりませんでした。これらの本の多くは著作権保護期間が満了していると思われるので、国会図書館の方針通りにインターネット公開していただきたいものです。
ブログの記事の中でいくつかを紹介しますが、なぜGHQは このような史実を日本人に読ませたくなかったかを、多くの読者の方に考えていただきたいと思います。
タイトル | 著者・編者 | 出版社 | 国立国会図書館デジタルコレクションURL | 出版年 |
アジア民族の中心思想. 印度篇 | 高楠順次郎 | 大蔵出版 | https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1230076 | 昭和11 |
英吉利の印度支配 : 仮面をとつた英国 | ラインハアルト・フランク | ニッポンプレス | https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1153768 | 昭和15 |
イギリスの印度統治 : 其経済諸政策の研究 | 東亜経済調査局 | 東亜経済調査局 | https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1281293 | 昭和10 |
印度 | 浅井得一 | 白揚社 | ||
印度 | 不明 | モダン日本社 | ||
印度 | 松村新吾 | 興亜文化協会 | ||
印度 | 金子健二 | 湯川弘文社 | https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1042560 | 昭和17 |
インド解放へ | 小倉虎治 | 今萩茂樹 | ||
印度資源論 | 小生第四郎 | 聖紀書房 | ||
印度思想史 | 木村泰賢 | 大東出版社 | ||
印度史の解剖と独立問題 | 木村日紀 | 日本放送出版協会 | https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1042561 | 昭和18 |
印度史の分析 | 金川義人 | 国民社 | ||
印度侵略悲史 | ラス・ビハリ・ボーズ | 東京日日新聞社 | ||
印度統計書 | 総合印度研究室編 | 国際日本協会 | https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1124152 | 昭和18 |
印度統治機構の史的概観 | 中島宗一 | 満鉄東亜経済 調査局 | https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1028046 | 昭和17 |
印度と英帝国主義 | 中平亮 | 東洋研究会 | ||
印度独立運動の真相 | 實川勝太郎 | 日本合同通信社 | ||
印度独立と日本 | 永松浅造 | 大理書房 | ||
印度独立戦争 | 波多野烏峰 | 錦正社 | https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1042555 | 昭和17 |
印度と濠洲 | 松本悟朗 | 聖紀書房 | https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1044233 | 昭和17 |
印度における英国の圧政 | ラッシュ・ビヘヤー | 不明 | ||
インドの叫び | ボース・ラスビハリ | 三教書院 | https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1444427 | 昭和13 |
インドの話 | 松山厚三 | フタバ書院成光館 | ||
印度の回教徒 | 小川亮作 | 地人書館 | https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1040057 | 昭和18 |
印度の曙 | 輪堂寺燿 | 啓徳社出版部 | ||
印度の抗戦力 | 後藤 勇 編 | 東晃社 | ||
印度の資源と工業 | 総合印度研究室編 | 総合印度研究室 | ||
印度の全貌 | 高岡大輔 | 岡倉書房 | ||
印度の全貌 | 網本行利 | 修文館 | ||
印度の闘争 | チャンドラ・ボース | 興亜書房 | ||
印度の独立 | 筈見一郎 | 霞ヶ関書房 | ||
印度の分析 | 竹内 雄 | 神栄館 | ||
印度の民族運動 | 総合印度研究室編 | 総合印度研究室 | ||
印度の流通経済 | 総合印度研究室編 | 伊藤書店 | ||
印度ビルマの展望 | 亀尾松治 | ジャパンクロニクル社 | ||
印度緬甸の展望 | 桑原官吾 | 大阪雑貨 印度輸出組合 | ||
印度ビルマの教育植民政策 | 吉田 実 | 三享書房 | ||
印度仏教概説 下 | 大谷大学 編 | 法蔵館 | ||
印度復興の理念 | 吉岡永美 | 北光書房 | ||
印度民族運動史 | 加藤長雄 | 東亞研究所 | ||
印度民族論 | 堀 一郎 | アジア問題研究所 | ||
印度洋 | 柴田賢一 | 興亜日本社 | https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1876269 | 昭和18 |
印度洋 | 浅井得一 | 朝日新聞社 | ||
印度洋問題 | 伊東 敏 | 大和書店 | ||
印度を語る | ラス・ビハリ・ボーズ | 日本電報通信社 | https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1267128 | 昭和17 |
印度を知る | 大倉仲助 | 蔵王閣 | ||
現代の印度 | 日本拓殖協会編 | 越後屋書房 | https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1044237 | 昭和18 |
今日の印度 | 国際政経学会調査部 | 政経書房 | ||
最近の印度 : 英印関係の推移 | 島田巽 | 朝日新聞社 | https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1275897 | 昭和17 |
虐げられし印度 | ラインハルト・フランク | 高山書院 | https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1045068 | 昭和18 |
ジヤワルラル・ネール 印度の新太陽 | アヌーブ・シング | 霞ヶ関書房 | ||
印度侵略序幕 | 深尾重正 | アジア問題研究所 | ||
大戦下の印度 | 蘆田英祥 | 汎洋社 | ||
大東亜共栄圏叢書第一編 更生仏印の全貌 | 金子鷹之助 | 愛国新聞社 | ||
大東亜戦における 重慶・インド・濠洲 | 東京日日新聞 東亜部 編 | 大同出版社 | https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1273599 | 昭和17 |
泰ビルマ、印度 | 東恩納寛惇 | 大日本雄弁会講談社 | ||
闘へる印度 : S.チヤンドラ・ボース自伝 | チャンドラ・ボース | 綜合インド研究室 | https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1045067 | 昭和18 |
立ち上がる印度の全貌 | 浅井治平 | 帝国書院 | ||
立ち上がる印度 | 永川俊美 | 帝国書院 | ||
独立印度の黎明 | ラス・ビハリ・ボース | 照文閣 | https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1045063 | 昭和17 |
独立運動をめぐる 現代印度の諸情勢 | 福井慶三 | フタバ書院成光館 | ||
南進叢書. 第7 インド | 南方産業調査会 | 南進社 | https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1044038 | 昭和17 |
南方経済資源総攬 第8巻インドの経済資源 | 伊東 敬 | 東亜政経社 | ||
蘭印、英印、仏印 | 井出諦一郎 | 三省堂 |
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ブログ活動10年目の節目に当たり、前ブログ(『しばやんの日々』)で書き溜めてきたテーマをもとに、昨年(2019年)の4月に初めての著書である『大航海時代にわが国が西洋の植民地にならなかったのはなぜか』を出版しています。
通説ではほとんど無視されていますが、キリスト教伝来以降ポルトガルやスペインがわが国を植民地にする意志を持っていたことは当時の記録を読めば明らかです。キリスト教が広められるとともに多くの寺や神社が破壊され、多くの日本人が海外に奴隷に売られ、長崎などの日本の領土がイエズス会などに奪われていったのですが、当時の為政者たちはいかにして西洋の侵略からわが国を守ろうとしたのかという視点で、鉄砲伝来から鎖国に至るまでの約100年の歴史をまとめた内容になっています。
読んで頂ければ通説が何を隠そうとしているのかがお分かりになると思います。興味のある方は是非ご一読ください。
無名の著者ゆえ一般の書店で店頭にはあまり置かれていませんが、お取り寄せは全国どこの店舗でも可能です。もちろんネットでも購入ができます。
内容の詳細や書評などは次の記事をご参照ください。
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