GHQが焚書処分した「排日」関連書籍~~勝井辰純『猶太人の陰謀と排日問題』

GHQ焚書

 以前私の別のブログでアメリカの反日と中国の反日をまとめたことがある。

 戦前の新聞記事や、アメリカ人ジャーナリストなどの当時の記録をもとに連載したものだが、今もよく読んでいただいている。

カリフォルニア州の排日運動が、日露戦争後に急拡大した背景を考える~~米国排日1
昭和21年の3月から4月にかけて、当時の松平慶民宮内大臣・木下道雄侍従次長らが、戦争に至った遠因・近因、経過および終戦の事情について、昭和天皇から5回にわたって聞き書きをした貴重な記録がある。その冒頭は昭和天皇の次のようなお言葉となっている。「大東亜戦争の遠因この原因を尋ねれば、遠く第一次世界大戦后の平和条約の内容に伏...
第一次大戦以降、中国の排日運動を背後から操ったのはどこの国だったのか~~その1
最近出版された西尾幹二氏の『GHQ焚書図書開封7』(徳間書店)を読んでいる。このシリーズは、戦後占領軍によって焚書処分された本の解説をしているものだが、「GHQ焚書図書」については少しだけ説明が必要だ。GHQ(占領軍)が昭和20年9月から占領期間中に、わが国の新聞、雑誌、映画、ラジオの放送内容、あらゆる出版物や一部私信...

 学生時代に授業で学んだ時は、なぜアメリカや中国で反日活動が行われたのかがよくわからなかったのだが、当時の新聞解説を読むとその背景が良くわかる。新聞記事は、神戸大学図書館の「新聞記事文庫」でいくつかのキーワードを検索ボックスに入れて検索ボタンを押せば、そのキーワードが新聞の見出しや本文に含まれている全ての記事がヒットする。大量に抽出された場合は、キーワードを追加して絞り込んだり、時系列に並べることも可能である。

http://www.lib.kobe-u.ac.jp/sinbun/index.html

 このデータベースは、神戸大学の研究者が明治末から昭和45年にわたり切り抜いた様々な新聞記事約50万件という膨大なもので、経済、企業経営、貿易に関わる記事や、わが国や世界における重要事件の背景解説、といった内容の記事が多く、戦争に関する記事や大事件の報道記事などは殆んどない。

 ありがたいことに、記事の画像だけでなく文字起こしがなされていて、難しい文字や画像ではわかりにくい文字も容易に読むことが出来る。検索で絞り込んだ記事を時系列で並べることにより、当時の日本人がわが国の置かれた状況を、どのように把握していたかを自宅のPCなどである程度知ることが出来るので、この時代に興味のある方は、利用されることをお勧めしたい。

 冒頭で紹介させていただいた旧ブログの記事で、神戸大学図書館「新聞記事文庫」の検索により見つけた記事のいくつかを案内させていただいたが、戦前におけるアメリカや中国における反日活動は、いずれも日本人に落度があったわけではなく、アメリカや中国の市場から日本人を追い出す意図でなされたプロパガンダによって拡げられたというべきなのだが、戦後出版された書物ではそのような実態を知ることは難しい。

 GHQが没収・廃棄して戦後の日本人に読めなくさせた書物の中にも、そのような史実がしっかり記されているものがある。たとえば、勝井辰純 著『猶太人の陰謀と排日問題』を読むと、アメリカではインド人が移民で入ってきたあと、シナ人移民が著しく増加し、その後日本人の移民が始まったことが詳しく書かれている。

…これら年々入国し来る多数のシナ人が、かつて、米国人の祖先がなせると等しき自由と解放の名のもとに、否侵略的方策を試み堂々米国に向かって叛旗を翻し、その豊穣を以て誇りつつある原野も、あるいは時にシナの領土と化し去らむことを杞憂する神経過敏な米国人は、猛烈に排支運動を開始し、遂に1904年、シナ人排斥法を規定せしむるに至った。これ以来、シナ移民は厳重に禁止され、シナの移民政策はここに一大頓挫を来たし、ひいて米国は自ら労力の不足を告げ、それがために加州(カリフォルニア州)の農園は漸次荒廃し去らんとした。この形勢を省みた米国はシナ移民に代わるべき他の諸外国の移民を盛んに歓迎した。…1885年わが政府は海外移民を認めて、移民と後方を制定し、同96年には移民保護法を制定し、これに伴って移民会社が簇出(そうしゅつ:群がり出ること)した。その結果、日本人の渡米移住する者逐次著しく激増し、1896年より1904年に至る9ヶ年間におけるその移民数、実に74,156人を算するに至った。これを1866年より同82年に至る17ヶ年間の350人のそれに比すれば、まったく隔世の感があるではないか。この趨勢に省みた米国はシナ人排斥に対する同一の見地と理由とから、またもや排日運動を開始した。かってシナ人に対してなされた迫害はさらに日本人の頭上にも落下してきたのである。

 1900年3月、サンフランシスコにペストの蔓延するや、時のサンフランシスコ市長フィーラン氏は、日支人の居住区域に限り特に検疫を命じ、同年五月サンフランシスコ市民は労働組合主催市民大会を開催し、その席上スタンフオード大学社会学教授エドワード・ロス氏及びフィーラン氏は猛烈なる排日演説をなし、シナ人排斥法を日本人にも適用せんことを決議した。その翌年には加州知事ヘンリー・ゲージの名において排日の教書を州議会に送り、州議会はこの教書に基づいて日本移民制限の建議案を可決し、これを中央議会に送付し、排日運動は遂に具体化するに至った。この大勢にかんがみたわが政府は、1900年米国移民に対して一切旅券を発給せざる旨を発表し、積極的に移民を制限して米国に於ける排日熱を緩和する策を執った。これがために移民数はほとんど半減さるるの結果を見るに至った。然るに加州は、この日本の紳士的態度に対して何ら内に省みることをなさず、1901年、サンフランシスコ市参事会主催シナ人排斥大会を開催するや、その席上において、日本及びその他の東洋人の移民増加は米国の産業を脅威すとの決議をなし、1904年米国労働組合はサンフランシスコに大会を開き、シナ人排斥法を日本移民にも適用すべしとの決議をなした。当時加州の政権は労働者の手に掌握されつつあったので、彼らは、日本の労働者は、低廉なる賃金に甘んじ忠実に労働に従事するの習慣を有するがゆえに、彼らの労働条件をかく乱され脅威さるること益々大を加うべきことを懼れるのあまり、自己の勢力を利用して自衛上排日の挙に出でたのである。

勝井辰純 著『猶太人の陰謀と排日問題』久栄堂書店 大正13年刊 p8~10
猶太人の陰謀と排日問題 - 国立国会図書館デジタルコレクション

 アメリカに移民した日本人は狡猾な行為を行ったり、怠惰であったために排除されたのではない。ただ安い賃金で黙々と働いたことが、アメリカ労働者の労働条件を悪化させたことが問題であったのだ。

 中国の排日についても、その背後に英米があり、日本人が苦労して開拓した中国市場をプロパガンダにより奪われてしまうのであるが、詳細は冒頭で紹介した旧ブログの記事を参照いただければ幸いである。

 以下のリストは、GHQが没収廃棄した書籍のうち、タイトルに「排日」「反日」「抗日」という文字を含む書籍を抽出したものだが、全部で15点あり、そのうち10点が「国立国会図書館デジタルコレクション」でネット公開されている。

タイトル著者・編者出版社国立国会図書館デジタルコレクションURL出版年
軍人の見たる排日と対米策赤松寛美 日進堂https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/979681大正13
最近の抗日南支那伊藤剣南 述日華経済同志会https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1282263昭和9
支那国定排日読本東亜経済調査局
訳編
東亜経済調査局https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1443008昭和6
支那新聞排日ぶり大泉忠敬先進社
支那の抗日記録 : 日支の不幸姫野徳一 日支問題研究会https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1462406昭和11
支那の排日・抗日教育の概観平野小剣 内外更始倶楽部https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1437017昭和13
支那排日教材集東亜経済調査局
訳編
東亜経済調査局https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1270101昭和4
深刻化するソ・支共同抗日戦斎藤二郎 今日の問題社https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1273195昭和11
赤化、抗日、防共長谷川了昭森社
戦慄すべき排日教科書の内容後藤蒼洋 支那事情研究会https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1267827昭和11
排日教科書風岡一雄皇道書院
排日の支那を視る山崎靖純今日の問題社
反日デマに踊る列国世論内外資料協会高山書院
北支事変:支那!
抗日戦闘実力はこれだ
伊藤秀雄雄飛閣https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1107074昭和12
猶太人の陰謀と排日問題勝井辰純 久栄堂書店https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1021207大正13


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 ブログ活動10年目の節目に当たり、前ブログ(『しばやんの日々』)で書き溜めてきたテーマをもとに、2019年4月に初めての著書である『大航海時代にわが国が西洋の植民地にならなかったのはなぜか』を出版しています。
 通説ではほとんど無視されていますが、キリスト教伝来以降ポルトガルやスペインがわが国を植民地にする意志を持っていたことは当時の記録を読めば明らかです。キリスト教が広められるとともに多くの寺や神社が破壊され、多くの日本人が海外に奴隷に売られ、長崎などの日本の領土がイエズス会などに奪われていったのですが、当時の為政者たちはいかにして西洋の侵略からわが国を守ろうとしたのかという視点で、鉄砲伝来から鎖国に至るまでの約100年の歴史をまとめた内容になっています。
 読んで頂ければ通説が何を隠そうとしているのかがお分かりになると思います。興味のある方は是非ご一読ください。

無名の著者ゆえ一般の書店で店頭にはあまり置かれていませんが、お取り寄せは全国どこの書店でも可能です。もちろんネットでも購入ができます。
令和二年三月末より電子書籍もKindle、楽天Koboより販売を開始しました。

内容の詳細や書評などは次の記事をご参照ください。

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