GHQ検閲・GHQ焚書

義和団の乱から日露戦争

ロシアが講和会議で強気の交渉が出来た背景と、講和条約に対する日本国民の怒り~~日露講和会議2

ポーツマス会議でウィッテがわが国に対して強気の交渉ができたのは、日本の連戦連勝が続き、主要各国が強い日本を次第に警戒するようになっていったことが大きかった。アメリカのサンフランシスコで排日プロパガンダが開始され、講和会議でわが国は譲歩するばかりであった。
日清戦争・日露戦争

日本海海戦前後に艦隊から離れたロシア艦のこと~~日露戦争に関するGHQ焚書1

「歴史ノート」で日本海海戦のことを二回にわたり書いてきた。 バルチック艦隊は、七ヶ月以上もの長い航海を続けてきたため将兵は相当疲労しており、船体にはフジツボなどの貝類が付着し、機関も摩耗していた。ロジェストウェンスキー司令長官にとっては、一...
国会図書館デジタルコレクション

国立国会図書館デジタルコレクションで大半のGHQ焚書が閲覧できるようになりました

国立国会図書館が、令和4年5月19日から「個人向けデジタル化資料送信サービス」を開始した、とのプレスリリースがでています。  このサービスの開始により、国立国会図書館のデジタル化した資料のうち、絶版などの理由で入手困難となっていた152万点...
GHQ焚書

英文で出版され、7ヶ国で翻訳出版された新渡戸稲造の『武士道』~~GHQが焚書処分した明治期の著作8

GHQの焚書リストを見ていると、なぜこんな本が焚書処分されたのかと思う本が少なくないのだが、新渡戸稲造の『武士道』もその一つである。 新渡戸稲造  この本は新渡戸がアメリカ滞在中の1899年(明治三十二年)にアメリカのフィラデルフィアで英語...
義和団の乱から日露戦争

わが連合艦隊がバルチック艦隊に大勝した~~日本海海戦2

連合艦隊とバルチック艦隊の主要な戦力を比較するとほとんど互角であったが、前者は長い航海で将兵は相当披露し、船も整備を必要としており、できればウラジオストックに戻ってから雌雄を決することを望んでいた。しかし、5月27日に日本海軍の信濃丸に艦隊を発見され、連合艦隊は出動の準備を整えた。
日清戦争・日露戦争

日露戦争のあと隻脚の僧侶となった市川禅海の『残花一輪』~~GHQが焚書処分した明治期の著作7

市川禅海(いちかわ ぜんかい)という人物の経歴がコトバンクに記されている。明治十六年に長野県中込村(現・佐久市)に生まれ、明治三十六年に海軍兵学校を卒業後、「日露戦争に参戦して負傷し、片足を切断する。明治四十二年剃髪し、修行のかたわら各地を...
義和団の乱から日露戦争

バルチック艦隊将兵の士気が高まらなかった事情~~日本海海戦1

バルチック艦隊は1904年10月にリバウ軍から出航した早々、英国漁船を日本海軍の水雷艇と誤認して撃沈する問題を起こし、ロシアは賠償金を支払ったが、その後英国は同艦隊が航路上にある中立の各国の港に寄港できないように圧力をかけ、ロシアと契約していた運輸会社に英国産の石炭の供給を止めるなどして航行の妨害を続けた。
日清戦争・日露戦争

水雷艇長として日本海海戦に従軍した水野広徳の『此一戦』~~GHQが焚書処分した明治の著作6

水野広徳は明治八年に愛媛県の三津浜(現松山市)に生まれ、幼少期に両親をなくして伯父に育てられたのだが、伯父の父の妻は秋山好古・真之兄弟の親戚だったという。松山中学を経て江田島の海軍兵学校を卒業し海軍の軍人となり、日露戦争では第四十一号水雷艇...
日清戦争・日露戦争

日露戦争に騎兵として戦った由上治三郎の従軍手記『鉄蹄夜話』~~GHQが焚書処分した明治期の著作5

由上治三郎という人物については陸軍の軍人で第一軍の騎兵中尉として日露戦争で戦い、戦後に大尉になった人物であることぐらいしかわからないのだが、由上の唯一の著作『鉄蹄夜話』は明治四十四年に刊行された古い本である。  緒言(まえがき)に由上は、「...
日清戦争・日露戦争

日露戦争に出征した猪熊敬一郎の遺著『鉄血』を読む~~GHQが焚書処分した明治期の著作3

前回は「GHQ焚書」で、一兵卒として日露戦争に出征した大月隆仗の戦記である『兵車行』を採り上げたが、今回は歩兵第一連隊の小隊長として出征し、連隊旗手として軍旗を奉じて二〇三高地に突撃した猪熊敬一郎が書いた『鉄血』を紹介したい。この本は、猪熊...
義和団の乱から日露戦争

三度にわたり決行された旅順港閉塞作戦とその結果

明治37年2月9日に日本海軍は仁川沖海戦で勝利したが、その後ロシアの極東艦隊は旅順港内の奥に閉じこもってしまった。ロシアは旅順港の背後に旅順要塞を築き、数多くの砲台が設置されているために、日本海軍はこの港には容易に近づけなかった。そこで考案されたのが旅順港の狭い入り口を塞いでしまおうという旅順港閉塞作戦で、三度にわたり実行に移された。
日清戦争・日露戦争

一兵卒の書いた日露戦争体験記『兵車行』を読む~~GHQが焚書処分した明治期の著作2

GHQが焚書処分した明治時代に書かれた作品紹介の第二回目だが、今回は大月隆仗著『兵車行』(兵卒の見たる日露戦争)という本を採り上げたい。著者は明治十六年(1883年)の岡山県生まれで二十歳の時に陸軍歩兵上等兵として日露戦争に出征し、この本は...
GHQ焚書

坪谷善四郎 著『北清観戦記』を読む~~GHQが焚書処分した明治期の著作1

GHQが焚書処分したのは昭和時代に刊行された本が大半だが、たまに明治時代に刊行されたものが没収廃棄されている。GHQが没収したのは一般の書店で流通している本やパンフレットであり、古書まではその対象としていなかったのだが、明治期に刊行された戦...
GHQ焚書

海軍機関学校で学ぶ生徒たち~~永松浅造『舞鶴』を読む

永松浅造の著作のなかで、海軍機関学校を志望する少年のために書かれた『舞鶴:海軍機関学校物語』という本がGHQ焚書のリストに挙がっている。 戦前戦中には陸海軍の将校を養成する学校がいくつか存在したのだが、第二次世界大戦の敗戦で軍隊は解体され、...
GHQ焚書

日本海軍の戦史を知る~~永松浅造『海ゆかば:皇国海戦史』を読む

永松浅造の戦前・戦中における著書の4割以上がGHQによって焚書処分されていることを書いたが、今回紹介させていただく『海ゆかば:皇国海戦史』もまたGHQ焚書である。 GHQは日本が戦争で勝利した話の多くを封印しようとしたと理解すればよいのだろ...
GHQ焚書

帝国海軍を育てた人々~~永松浅造『くろがねの父』を読む

前回に引き続き、GHQに焚書処分された永松浅造の著作を紹介したい。今回紹介する本は昭和十七年に発刊された『くろがねの父』という本で、帝国海軍を育てた勝海舟、伊東祐亨、山本権兵衛、東郷平八郎、加藤寛治の海軍人生を詳述した本であるが、GHQは時...
GHQ焚書

近代戦における航空部隊の重要性~~永松浅造 『海軍航空隊』を読む

著者の永松浅造の経歴についてはネットでは調べてもよくわからないのだが、戦中は毎日新聞の記者であったらしい。戦後も『ゾルゲ事件』など多くの作品を残しているが、戦前・戦中に彼が書き残した12点がGHQに焚書処分されている。 国立国会図書館デジタ...
戦争文化叢書

アメリカにおける人種問題~~「戦争文化叢書」を読む10

アメリカには多種多様な民族が混在して暮らしており、学生時代に「人種のるつぼ」などと学んだ記憶があるのだが、今では「人種のサラダボウル」などと言われることが多いのだそうだ。 「るつぼ」という言葉には、様々な国の移民が入り込み1つに融合するとい...
戦争文化叢書

明治以降の農村の都会化によって失われたもの~~「戦争文化叢書」を読む9

GHQによって世界創造社の「戦争文化叢書」シリーズの大半が焚書処分されているのだが、今回は『日本農兵戦争』という本の一部を紹介したい。  著者の清水宣雄がどういう経歴の人物であったかは詳しくはわからないが、「国会図書館デジタルコレクション」...
戦争文化叢書

今も親日国の多い南洋群島の、日本による委任統治時代を考える~~「戦争文化叢書」を読む8

太平洋に点在するポリネシア・メラネシア・ミクロネシアの島々は、今では「南の楽園」などと呼ばれているが、この島々はかつてわが国の領土であった。  17世紀になってスペインがこの地域一帯を植民地化し、フィリピンと共に「スペイン領東インド」を形成...
戦争文化叢書

戦前の欧州をめぐる世界情勢をどう理解するべきか~~「戦争文化叢書」を読む7

前回に引き続き「戦争文化叢書」のGHQ焚書を紹介したい。今回紹介するのは白鳥敏夫 著『欧洲を繞(めぐ)る世界情勢』という本である。 著者の白鳥敏夫はWikipediaによると、「大正、昭和期の日本の外交官・政治家。戦前期における外務省革新派...
戦争文化叢書

ソ連・コミンテルンによる中国の赤化工作を知る~~「戦争文化叢書」を読む6

前回に引き続き満田巌著『日本世界戦争』の文章を紹介したい。戦後に書かれた著作では、中国で民族運動が昂揚した背景にどこの国が関与していたかについて触れることは皆無に近いのだが、この書物には詳しく記されている。 ソ連・コミンテルンによる中国の赤...
戦争文化叢書

第二次世界大戦が勃発した頃の世界の関係とイギリスの戦略的外交~~「戦争文化叢書」を読む5

今回紹介するGHQ焚書は戦争文化叢書 ; 第12輯の満田巌著『日本世界戦争』である。 著者の満田巌については何冊か著作を残しているが、どんな人物かと調べていると、 夫人の満田道子さんが『わかれ霜』 という歌集を出していることが分かった。内科...
戦争文化叢書

戦前においても日本を軽視する知識人が少なくなかった要因と、学ぶべき国民の歴史~~「戦争文化叢書」を読む4

GHQによって世界創造社の『戦争文化叢書』のシリーズの大半が焚書処分されたのだが、今回はアジア問題研究所編『支那人は日本人なり』という変わったタイトルの本の一部を紹介したい。この本はわが国の歴史について、戦後の歴史叙述などには見出しがたい、...
戦争文化叢書

イギリスの伝統的な植民地統治手法である「分割統治」とは~~「戦争文化叢書」を読む3

前回に引き続き、戦争文化叢書 第25輯の『英国の世界統治策』を読み進もう。 この本の第三章は「分割して支配する」だが、わかりやすく言えば、ある者が統治を行うにあたり、被支配者を分割することで統治を容易にする手法である。英国はこの手法で世界各...
戦争文化叢書

イギリスこそが世界最大の侵略国だった~~「戦争文化叢書」を読む2

前回はに引き続き、GHQが大半の書籍を焚書処分した世界創造社の「戦争文化叢書」の中から、今回は『英国の世界統治策』(GHQ焚書)という本を紹介させて頂きたい。 イギリスは如何にして植民地を獲得したのか  この本の第一章は「如何にして植民地を...
戦争文化叢書

支那事変でわが国が「敵国」と認識していたのはイギリスだった~~「戦争文化叢書」を読む1

大半がGHQに焚書処分された『戦争文化叢書』  昭和十四年(1939年)から十六年(1941年)にかけて、世界創造社という出版社から『戦争文化叢書』というシリーズ本が出版されている。全部で三十五冊の本が刊行されているのだが、そのうち二十九冊...
朝鮮半島情勢と日清戦争

江華島事件と李氏朝鮮の開国

明治八年に朝鮮国を開国させようとする交渉が難航したため、威嚇することを目的に五月に軍艦雲揚を釜山に向かわせた。その後九月に再び雲揚が情報収集で朝鮮半島に向かうと、江華島沖で朝鮮軍からの砲撃を受けた。日本軍は応戦し永宗島を陥れた。この事件を機に政府は黒田清隆を全権として条約締結に持ち込もうとした。
中国関連

戦前の日本人は主要国の外交政策をどう捉えていたか~~『少年満洲事変と上海事変』(GHQ焚書)を読む5

今まで4回に分けて山県信敬 著『少年満洲事変と上海事変』(昭和11年刊)の内容を紹介してきたが、今回はその最終回で、著者が当時の主要国の外交姿勢について述べている部分を紹介したい。この本は青少年を対象に書かれている本であり非常に読みやすく、...
中国関連

満州国を攪乱したソ連と支那共産党~~『少年満州事変と上海事変』(GHQ焚書)を読む4

ソヴィエト連邦の極東政策  今回も『少年満洲事変と上海事変』の文章を紹介したい。満州国が建国されたのち、極東の情勢がどのように変わったかについて、戦後出版された教科書などにはあまり記されていないのだが、昭和11年に青少年向けの本に書かれてい...
中国関連

第一次上海事変はなぜ起きたのか~~『少年満州事変と上海事変』(GHQ焚書)を読む3

戦後の教科書ではなぜか触れることが少ない第一次上海事変  前回の記事で、昭和11年に出版された『少年満州事変と上海事変』に、満州事変勃発から満州国の成立についてどう記されているかを紹介した。今回は引き続き第一次上海事変についての解説を紹介し...
満州関連

戦前の日本人の満州事変の理解を知る~~『少年満洲事変と上海事変』(GHQ焚書)を読む 2

柳条溝鉄道爆破事件  前回の記事で山県信敬 著『少年満洲事変と上海事変』で、満州事変の発端となった昭和六年(1931年)九月十八日の柳条溝事件が起きるまでの支那の国情について書いた。今回はその続きである。  萬寶山事件 に次ぐに、中村大尉虐...
満州関連

満州事変の前に何が起こっていたのか~~『少年満洲事変と上海事変』(GHQ焚書)を読む 1

満州事変についてのGHQ焚書の9割はネット公開されていない  本のタイトルから判断して満州事変に関する本は30点がGHQによって焚書処分されているのだが、そのうち「国立国会図書館デジタルコレクション」でネット公開されているのは3点のみで、9...
ナチス関連

GHQが焚書処分したナチス研究書4~~水野正次 著『総力戦と宣伝戦:ナチス思想謀略の研究』

著者:水野正次について  前回まではアルス社の「ナチス叢書」の本を3点紹介させて頂いたが、今回は新民書房から昭和十六年七月に刊行された『総力戦と宣伝戦:ナチス思想謀略の研究』という本を紹介したい。  著者の水野正次がどんな人物なのかを知りた...
ナチス関連

GHQが焚書処分したナチス研究書3~~八条隆孟 著『ナチス政治論』

前回に引き続き、GHQによってシリーズの大半が焚書処分された株式会社アルスの『ナチス叢書』のなかから、今回は八条隆孟 著『ナチス政治論』(昭和十六年五月刊)という本を紹介したい。 ドイツ革命とその後の混乱  以前このブログで、ロシア革命はユ...
ナチス関連

GHQが焚書処分したナチス研究書2~~末次信正著『日本とナチス独逸』

日独伊三国同盟はなぜ結ばれたのか  前回のこのコーナーで株式会社アルスが出版した『ナチス叢書』の大半が焚書処分されていることを書いたが、今回も『ナチス叢書』のなかから末次信正 著『日本とナチス独逸』(昭和十五年十一月刊)の一部を紹介したい。...
ナチス関連

GHQが焚書処分したナチス研究書1~~深尾重正著『ナチスの放送戦争』

大半がGHQによって焚書処分されたアルス社の『ナチス叢書』  前回はヒットラーの著書を紹介したので、今回はナチスに関する研究書を紹介することとしたい。  今は存在しないが、かつて株式会社アルスという出版社が存在した。詩人として有名な北原白秋...
ナチス関連

GHQが焚書処分したヒットラーの著書を読む 2~~『我が闘争  第2巻 下』

4冊のうち3冊がGHQによって焚書処分された『我が闘争』の目次  前回の記事で、ヒットラーの『我が闘争』は 東亜研究所版の4冊のうち「第1巻 上」を除く3冊が焚書処分されていて、「第2巻 上」だけが国立国会図書館でネット公開されていることを...
ナチス関連

GHQが焚書処分したヒットラーの著書を読む 1~~『我が闘争  第1巻 下』

GHQ焚書点数の多い外国人著作の共通点  戦後GHQが多くの書籍を焚書して日本人に読めないようにしたのだが、外国人の著作についても多くを処分している。その中でも最も焚書点数が多いのが、ナチスドイツの総統であったアドルフ・ヒットラーの書籍で、...
武藤貞一

日米を戦わせるように仕向けた国はどこなのか~~武藤貞一『日米十年戦争』(GHQ焚書)

これまで武藤貞一のGHQ焚書を3冊紹介してきたが、今回紹介する本は、第二次世界大戦でわが国がアメリカに宣戦布告した約半年前に出版された『日米十年戦争』(GHQ焚書)である。  奥付を確認すると、この本が出版された日は昭和十六年六月五日で、手...
武藤貞一

GHQに封印された支那事変の真実~~武藤貞一著『日支事変と次に来るもの』

盧溝橋事件直後に出版されたベストセラー  前回に引き続いて武藤貞一のGHQ焚書を紹介したい。以前にも書いたが、武藤貞一は 戦前の昭和十一年から「大阪朝日新聞」の論説委員となり、「天声人語」欄を執筆。昭和十四年に「報知新聞」の主筆となり、戦中...
武藤貞一

第二次世界大戦の前に戦争の形が変わった~~武藤貞一著『世界戦争はもう始まっている』を読む

1936年までに、すでに臨戦態勢に入っていた列強諸国  前回に引き続き武藤貞一の著書を紹介したい。今回は『世界戦争はもう始まっている』(GHQ焚書)である。   第二次世界大戦は1939年の9月のドイツ軍のポーランド侵攻を発端とし、その後英...
武藤貞一

わが国が第二次大戦で戦わざるを得ない状況に追い込んだ勢力~~武藤貞一著『日本の変貌』を読む

武藤貞一の著作はGHQに嫌われ、国会図書館においても全著作がネット公開されていない  武藤貞一という人物は今ではほとんど知られていないと思うのだが、戦前の昭和十一年から「大阪朝日新聞」の論説委員となり、「天声人語」欄を執筆。昭和十四年に「報...
国会図書館デジタルコレクション

菊池寛の名著『大衆明治史』(GHQ焚書)で日露戦争の舞台裏を読む

菊池寛といえば小説家であり劇作家でありジャーナリストであり、実業家としても文芸春秋社を創設した著明な人物だが、歴史書にもいい本をいくつか出している。戦後は歴史家が登場人物を生きた人間として描くことがほとんどなくなってしまったのだが、菊池寛は...
GHQ焚書

日露戦争後に日米関係がどう動いたか~~福永恭助著『挑むアメリカ』(GHQ焚書)を読む

福永恭助は海軍少佐で退役した後、小説や軍事に関する評論などの著作を残しているが、戦前・戦中の作品34点のうち12点がGHQによって焚書処分されている。 また、国立国会図書館デジタルコレクションでデジタル化されていながらネット公開されていない...
国会図書館デジタルコレクション

戦前・戦中に出版された読売新聞社の『支那事変実記』、『海戦 : 大東亜海戦記』を読む

2020年の新聞の発行部数ランキングでは読売新聞は776万部で第1位であるが、Wikipediaによると1938年の朝刊発行部数は100万部、1944年は191万部であったという。読売新聞はどちらかというと戦後大幅に発行部数を伸ばした新聞社...
国会図書館デジタルコレクション

新聞社・通信社が戦前・戦中に発行した写真集~~『関東震災画報』『時局及排日ポスター写真帖』『支那事変写真帖』

戦前・戦中に新聞社が多くの写真集を出版している。新聞社のカメラマンが国内外で撮影したものがほとんどだと思うのだが、言葉で書くよりも現場で撮影された一枚の写真の方がはるかに説得力があるので、時々覗いていい写真があればブログの記事に利用させて頂...
国会図書館デジタルコレクション

新聞社で二番目にGHQ焚書点数の多い毎日新聞社の本~~『日本へ寄せる書』、『国際戦を呼ぶ爆弾 支那』

戦前・戦中の毎日新聞社  GHQが最初に焚書処分にした10冊のことを以前このブログで書いたが、そのうちの九点が毎日新聞社が発行した書籍であった。  前回の記事で書いた通り、戦前戦中に新聞社が発行した本のうちもっともGHQ焚書点数が多いのは朝...
国会図書館デジタルコレクション

朝日新聞社が、戦前・戦中に刊行した本~~『植民地の再分割』『米国への判決』『陸軍』

著作権保護期間終了しても多くの書籍が国会図書館でネット非公開  一昔前の大手新聞社は世界各地に特派員を送り込んで様々な情報を集め、今よりもはるかに質の高い記事を載せていた。本屋には、大手新聞社が発行した国際情勢や時事問題に関する解説書が平台...
国会図書館デジタルコレクション

GHQが最も嫌った野依秀市の著した政権・大手マスコミ批判の書

昭和14年刊『支那事変の前途は悲観か楽観か』  前回このカテゴリーで、GHQ焚書点数の最も多い野依秀市の軍部批判の論文を紹介したが、今回は野依の著作の中から、政権批判や大手マスコミ批判の論文を紹介したい。  最初に紹介するのは『支那事変の前...