最後の将軍・慶喜の時代 英国公使が幕府支持に傾いた理由と倒幕を急ごうとした在京の薩摩藩士 慶応三年一月に孝明天皇が崩御され、徳川慶喜は大坂城に四カ国の代表を引見し、その席で兵庫開港を含む条約義務の遵守を約束した。慶喜は各国公使から高く評価されたが、兵庫開港については薩摩藩の事前工作があり大揉めにもめ、なんとか勅許を得た慶喜は、兵庫開港に向け動き出した。一方在京の薩摩藩士は、兵庫開港までの倒幕を決意した。 2020.07.30 2022.04.09 最後の将軍・慶喜の時代
GHQ焚書 GHQが焚書処分した教育に関する本~~大日本国民教育会 編『教育勅語画鑑』、伏見猛弥 『教育維新』 GHQが焚書処分した書籍の中に、昭和六年に大日本国民教育会が編纂した『教育勅語画鑑』という本がある。この本は「教育勅語」がつくられた経緯やその内容について、偉人のエピソードなどを交えながら、絵とともに解説されている本である。 今回は、角倉... 2020.07.28 2022.03.23 GHQ焚書
最後の将軍・慶喜の時代 孝明天皇は病死したのか、あるいは毒殺されたのか 孝明天皇の死に関しては、古くから毒殺説があり、英外交官のアーネスト・サトウの著書にもそのような噂があると書いている。天皇の主治医の手記を読むと、天皇の疱瘡は順調に回復しているとの診断後、容体が急変しており、誰かが砒素を盛ったことを疑う理由がある。具体的には岩倉具視や大久保利通が関与したことを疑われているが、いずれも親幕派の天皇の排除を望む理由があった。 2020.07.25 2022.03.26 最後の将軍・慶喜の時代
欧米の植民地統治 GHQが焚書処分したフランス、フランス植民地に関する本~~田沢丈夫『仏印事情』 GHQ焚書のリストからフランスに関する本を探していると、没収廃棄されて戦後の日本人に読めなくされている本は、フランス本国に関する本よりもフランスの植民地に関する本が圧倒的に多い。 今のベトナム・ラオス・カンボジアは戦前はフランスの植民地で... 2020.07.23 2023.07.07 欧米の植民地統治
幕末と英仏の動き 薩長を支援したイギリスと、幕府に接近し助言し続けたフランス フランス公使のロッシュは就任早々幕府と親交を深め、幕府からの要請を受けて製鉄所・造船所建築の為の技師や、軍事顧問団を派遣し、パリ万博に参加を推薦したり、イギリスの動きをいち早く幕府に伝えその対応策まで伝授している。徳川慶喜が兵庫港開港を決断したのもロッシュの献策による。イギリス外交官のサトウは、兵庫開港が実現すると革命のチャンスを失うと西郷にけしかけている。 2020.07.20 2022.03.26 幕末と英仏の動き
中国関連 GHQが焚書処分した日中戦争に関する本~~本多熊太郎『欧洲情勢と支那事変』 「支那事変」は、昭和十二年(1937年)七月七日の盧溝橋事件から始まった日中紛争を意味するが、当初は「北支事変」と呼ばれ、戦域が拡大してから「支那事変」あるいは「日支事変」と呼ばれるようになり、戦後は「支那」という言葉は避けて「日華事変」と... 2020.07.18 2023.07.07 中国関連
幕末と英仏の動き 1867年パリ万国博覧会に薩摩藩は独立国として参加した 慶応三年に開催されるパリ万国博覧会に幕府は参加を決定し、各藩に参加を求めたところ薩摩藩と佐賀藩が応じたのだが、薩摩藩は独自の旗や勲章まで作成し、あくまで独立国として参加する準備を進めた。現地で幕府と薩摩藩は激論し結局幕府側は「大君政府」、薩摩藩側は「薩摩太守の政府」とし、ともに日の丸を掲げることで妥協したが、薩摩藩は幕府の権威を低下させることに成功した。 2020.07.15 2022.03.25 幕末と英仏の動き
GHQ焚書 GHQが焚書処分した軍隊に関する本~~『軍隊教育漫画 輝く無敵陸軍』 GHQ焚書の中に昭和十三年に出版された『軍隊教育漫画 輝く無敵陸軍』という本がある。焚書処分された本の中には『決戦漫画輯』(金子三郎 編)という本も存在するが、「国立国会図書館デジタルコレクション」でネット公開されている漫画はこの本だけのよ... 2020.07.13 2022.03.29 GHQ焚書
幕末と英仏の動き 薩長に接近したイギリスは討幕に関与したのか、しなかったのか アーネスト・サトウは慶応二年四月にジャパン・タイムスに『英国策論』を発表し、和訳されて広く読まれた。そこには天皇を元首とする諸大名による連合政権樹立を唱えている。その後のイギリスの対日政策は、本国からは中立を保持することを指示してきたが、パークス公使等は『英国策論』のシナリオ通りの路線を進めている。 2020.07.10 2022.03.27 幕末と英仏の動き
GHQ焚書 GHQが焚書処分した戦争に関する書物~~小林騏一郎『日・ソ・支戦争 : 世界大戦の前に来るもの』 今回はGHQ焚書リストの中から「戦争」「大戦」をタイトルに含む本を集めてみたが、多くの書物で戦前の世界情勢に踏み込んで詳しく書かれている。そこには、今まで教科書やマスコミの解説ではお目にかかれないような内容が記されていることがよくあり、重要... 2020.07.08 2022.03.25 GHQ焚書
攘夷の実行と諸外国の動き 兵庫開港と条約勅許等を求めて軍艦九隻を大阪湾に送り込んだ四ヵ国連合~~下関戦争3 1865年7月に第二代公使のパークスが着任した当時、英国は下関戦争の講和にあたり、幕府下関開港ではなく償金支払いを選んだことに不信感を持っていた。英国は下関開港を望み、長州藩もそれを了解していたのだが、幕府は関税収入が長州に入ることを望まなかった。英国は幕府が償金の支払延期を申し出て来たのを機に、九隻の軍艦を大阪湾に向けて兵庫開港、条約勅許、関税引下を迫っている。 2020.07.05 2022.03.27 攘夷の実行と諸外国の動き
GHQ焚書 GHQが焚書処分した、第二次大戦に至る世界情勢を分析した本~~中川秀秋『日本を繞る国際情勢の緊迫』 戦勝国にとって都合の悪いことが書かれた本がGHQによって没収・廃棄され、戦後の日本人に読めないようにさせたことをいろいろ紹介してきたが、当時の世界情勢を解説した本もかなりの点数が没収処分されている。こういう本を今の教科書や一般的な通史で書か... 2020.07.03 2022.09.16 GHQ焚書