中国関連

『満州戦線 ペン画集』(GHQ焚書)を読む

GHQ焚書リストで満州関連の本を探していたら、『満州戦線 ペン画集』という本が目にとまった。少し読んでみると満州戦線の様子や満州の建物や自然風景が描かれており、どの絵も素晴らしい作品ばかりである。今回はこの本を紹介させていただく。『満州戦線...
戦争と共産主義

コミンテルンのスパイ・尾崎秀実にとっての第二次世界大戦

今回はゾルゲ事件の首謀者の一人として昭和十六年(1941年)に逮捕され昭和十九年(1944年)に死刑に処された尾崎秀実おざき ほつみが、昭和十七年(1942年)三月か四月頃に獄中で書いた手記に記されている内容の一部を紹介させていただくのだが...
中国関連

原口統太郎『支那人に接する心得』(GHQ焚書)を読む 2

今回は原口統太郎著『支那人に接する心得』の紹介の二回目である。一部しか紹介できないのは残念だが、この本は『国立国会図書館デジタルコレクション』でネット公開されているので、誰でもPC等で読むことが出来る。惜しみなく金を撒け 前回記事では、支那...
戦争と共産主義

関東軍はコミンテルンの工作活動の重要な対象であった

張作霖爆殺事件 以前このブログで、昭和三年(1928年)六月四日に起きた「張作霖爆殺事件」について三回に分けて書いた。 通説では日本軍(関東軍)が張作霖を暗殺したとされているのだが、ソ連の機密文書ではソ連が実行し日本人の仕業に見せかけたもの...
中国関連

原口統太郎『支那人に接する心得』(GHQ焚書)を読む 1

今回はGHQ焚書のリストの中から本のタイトルに「支那人」を含む書籍を探していると、原口統太郎著『支那人に接する心得』という本が見つかった。今回はこの本の内容を紹介させていただくこととしたい。支那に四十年以上暮らした原口統太郎 原口統太郎につ...
戦争と共産主義

二・二六事件と中国の西安事件でわが国が戦争に引き込まれる準備が整った

昭和十年(1935年)七月から八月にかけて第七回コミンテルン大会が開催されたが、この大会の後でわが国と支那で起こった事件を調べてみると、不可解な事件や重大な出来事が相次いでいることに気が付く。これらの事件は、この大会で決議された内容と無関係...
テーマ別焚書

本のタイトルに「日本人」を含むGHQ焚書 『日本人の本領』を読む

今回はGHQ焚書リストの中から、本のタイトルに「日本人」を含む書籍を探してみた。小説もあれば、人物論もあり、偉人のエピソードを集めたものなどいろいろだが、今回紹介したいのは『日本人の本領』という本である。『日本人の本領』 著者の伏見韶望しょ...
戦争と共産主義

昭和天皇が二・二六事件の叛乱軍討伐を命じられた

前回の「歴史ノート」で、竹山道雄が『昭和の精神史』で昭和天皇が二度だけ例外的に御親政を行われたと書いていることを紹介した。その「二度」というのは、「二・二六事件の際と終戦の際」だというのだが、いずれのケースも軍の暴走を止めるには天皇自らが動...
ユダヤ人問題関連

「世界の謎フリー・メーソンとは何!」戦前のユダヤ問題連載記事を読む

戦後はユダヤ問題はほとんどタブー扱いにされてきたために、この問題についてテレビや新聞で知る機会は皆無に近いのだが、戦前の新聞にはユダヤ問題についてしばしば解説されていた。「フリー・メーソン」という名前が当時の新聞にしばしば登場するのだが、こ...
戦争と共産主義

なぜわが国軍隊の暴走を止められなかったのか

これまで、昭和時代の初期に学生や兵士等に赤化工作が行われ、若い世代を中心に共産主義思想が拡がっていったことを書いてきた。このことと日本軍の暴走したことと関係があるのではないだろうか。 一九二八年(昭和三年)のコミンテルン第六回大会で採択され...
ユダヤ人

GHQが焚書処分した「ユダヤ」関連書物4 『虚実と真実の闘い:今次大戦とユダヤ問題』

今回はユダヤ関連のGHQ焚書の中から、『虚実と真実の闘い:今次大戦とユダヤ問題』(昭和十八年刊)を採り上げることとしたい。著者の増田正雄は昭和十一年に発足した国際政経学会の代表者で、この学会はユダヤ研究の出版や講演会を開催していたようだ。増...
戦争と共産主義

コミンテルンは全世界に共産主義を拡散させようとした

これまで、ソ連・コミンテルンがわが国の教育機関や軍隊に対して盛んに赤化工作を行ってきたことを書いてきたが、同様な工作を全世界レベルで行っていた。今回は彼らの世界の赤化工作について書くこととしたい。コミンテルンによる世界赤化工作 一九一七年(...
ユダヤ人

GHQが焚書処分した「ユダヤ」関連書物3 『猶太民族と世界制覇の陰謀』

戦後になってからはユダヤ人研究の書物の出版は極めて少なく、テレビなどでユダヤ人について語られる場合は、いかにユダヤ人が迫害されてきたかという被害者としての側面ばかりが強調され、なぜユダヤ人が世界中で迫害されてきたことについて解説されることは...
戦争と共産主義

コミンテルンによる日本軍への赤化工作を考える

コミンテルン第六回大会の決議内容 「コミンテルン」は「第三インターナショナル」あるいは「国際共産党」とも呼ばれ、世界の共産主義国化のために一九一九年にモスクワで結成された共産主義運動の指導組織であり、日本共産党はコミンテルンの日本支部として...
奈良

大神神社と摂社の大直禰子神社と聖林寺を訪ねて…奈良の廃仏毀釈の旅3

奈良の神仏分離・廃仏毀釈を考える旅の最後の記事になるが、今回は桜井市の大神おおみわ神社(桜井市三輪1422)を中心に書くことと致したい。大神神社と三輪山大神神社 二の鳥居 大神おおみわ神社はわが国最古の神社の一つとして知られ、御祭神は大物主...
奈良

明治初期の神仏分離で談山神社に変身した妙楽寺とその寺宝の行方を訪ねて…奈良の廃仏毀釈の旅2

前回の記事で石上神宮と内山永久寺のことを書いたが、今回はその後訪問した談山たんざん神社のことを中心に書くこととしたい。 奈良県桜井市の南方に拡がる山麓一帯を多武峰とおのみねとよぶが、談山神社(奈良県桜井市多武峰319)はその山頂付近にあり、...
奈良

奈良県が存在しなかった時代に破壊された内山永久寺の跡地を訪ねて…奈良の廃仏毀釈の旅1

以前このブログで奈良の廃仏毀釈や神仏分離について何度か記事を書いたことがある。奈良県は明治九年(1876年)の第二次府県統合で大阪府東部・南部を管轄していた堺県に統合されて「奈良県」の名が地図から消え、さらに明治十四年には堺県が大阪府に編入...
戦争と共産主義

満州事変後に共産主義者が大量に愛国陣営に流れたのはなぜか

前回記事で、昭和初期のわが国で多くの若者が左翼思想に共鳴し、全国の学校だけでなく軍隊にも赤化工作が行われていたことを書いた。当時は私利私欲で動く政治家が政争を繰り返し、庶民は貧困に喘ぐ状況が続いてマルクスやレーニンの思想に共鳴する若者が多く...
ユダヤ人

GHQが焚書処分した「ユダヤ」関連書物2 『新聞とユダヤ人』

今から五年前に「ユダヤ」関連のGHQ焚書のリストとともに、筈見一郎著『ユダヤ禍の世界』の一部を紹介させていただいたが、当時は「国立国会図書館デジタルコレクション」の「送信サービス」が開始されておらず、ネットで読むことがかなわなかったのだが、...
戦争と共産主義

昭和初期に多くの若者が左翼思想に共鳴したのはなぜか

前回記事で、小学校から大学まで多くの赤化教員が潜り込んで生徒に左翼思想が拡げられたことなどを書いた。 では、コミンテルンが日本共産党に指令した赤化工作が、実際のところ当時の生徒たちにどの程度の影響を与えたのであろうか。当時の新聞を調べると、...
文学・記録

GHQが焚書処分した紀行・旅行記 『黄塵 : 紀行随筆集』、『アメリカ旅行その日その日』

紀行と旅行記はいずれも旅行に関する記録であるが、紀行は文化や歴史についての情報提供が中心で、旅行記というと個人的な出来事や感想を書いたもので、文章の途中に写真や挿絵などがありそうなイメージがある。今回GHQ焚書リストの中から、本のタイトルか...
戦争と共産主義

ソ連・コミンテルンによる教育機関の日本赤化工作

前回は一九二八年(昭和三年)の七月から九月にかけてモスクワで第六回コミンテルン大会が開催され、七月には長春、奉天、鉄嶺、安東の日本軍に対して赤化宣伝文書が大量配布されたことが国民新聞に報じられていることを書いた。 しかしながら軍隊の赤化宣伝...
文学・記録

GHQが焚書処分した「風土記」「風物誌」 『北支風土記』『泰国風物詩』

GHQが焚書処分したリストの中から、本のタイトルに「風土(記)」あるいは「風物誌(詩)」を含むものを探してみたが全部で十点が引っかかった。 以前このブログで、支那事変以降に多くの小説家や画家が日本軍に従軍して戦場に向かい、多くの記録を残して...
滋賀

長浜から米原の古い社寺等を訪ねて 米原・長浜旅行その2

米原市の湯谷神社を参拝したのち長浜市の須賀谷温泉(長浜市須賀谷町36)で一泊し、長浜市の主な観光地は数年前に長浜曳山祭りを見た際に訪問していたので、二日目は長浜市から米原市に向かって、あまり知られていない古い寺社や博物館などを中心に巡ってき...
滋賀

新緑の季節に滋賀県米原市の歴史散策 米原・長浜旅行その1

最近は有名観光地は外人観光客が多すぎるので敬遠して、あまり有名でない地方の社寺巡りを楽しんでいるのだが、新緑の季節を迎えたタイミングで滋賀県の米原市や長浜市の古社寺巡りの旅程を立てて、初日は米原市内の寺社を巡って来た。徳源院徳源院 本堂 自...
戦争と共産主義

ソ連・コミンテルンによる初期の日本赤化工作

「赤化せっか」という言葉は今ではほとんど死語になってしまったが、共産主義的な思想や機構を広めていくことを意味している。戦後に出版された本やマスコミの解説などで触れられることはほとんどないが、わが国では大正期の終わりから昭和初期にかけて共産主...
文学・記録

本のタイトルに「日記」「日誌」を含むGHQ焚書 『戦影日記』『僕らの戦争日記』

GHQ焚書リストから「日記」をキーワードにして絞り込むと二十点が引っかかり、「日誌」では十三点がひっかかった。「日記」の多くは自らの戦争体験を綴ったものだが、中には満州や支那の旅行日記もあれば、タイトルは「日記」でも小説に分類すべき作品も存...
文明開化とその裏面

わが国で最初に石油を製造した石坂周造

わが国の石油消費量のほとんどは中東などから輸入されているが、わずかながらわが国でも秋田県や新潟県を中心に石油の生産が行われており、国内生産量は2022年で41万キロリットルで国内消費量の0.3%程度で、1年のうちわずか一日分程度が自給できて...
文学・記録

本のタイトルに「詩」を含むGHQ焚書 『遠征と詩歌』『われら戦う:ナチスドイツ青年詩集』

GHQ焚書リストの中から、本のタイトルに「詩」を含む本を絞り込むと、「詩集」が多いことは当然であるが、自らの戦争体験を綴った日本兵士の作品もあれば、ドイツ兵の詩集や、幕末の志士の詠んだ漢詩を集めて評釈している本、タイ国の風物詩など様々である...
文明開化とその裏面

政府が欧風化を推進した文明開化の時代に、国産品を奨励した僧侶・佐田介石

技術進歩の激しい時代には、新技術をいち早く導入した者が、多くの人々の仕事を奪い取って失業させることになる。それはある程度やむを得ないものではあるのだが、その変化が激しすぎると各地で内乱が起こるなどして社会が不安定になりかねない。 教科書など...
文学・記録

本のタイトルに「歌」を含むGHQ焚書 『短歌戦記』『民族解放の歌』

GHQ焚書リストから、タイトルに「歌」を含むものを絞ってみると、多くが短歌集で、中には兵士が詠んだ秀逸な作品を集めて解説している本もあれば、軍歌を収録した本もあり、南方民族の歌の歌詞を訳して紹介している本もある。またアジアが欧米に侵略され、...
文明開化とその裏面

明治天皇が『教育勅語』を渙発された経緯

明治の初めのころ「文明開化」の名のもとに、わが国で極端な欧化主義的な考え方が支配したことはこのブログで何度か書いてきた。 わが国が近代国家として西欧に対抗するためには、西欧の技術や科学や文化などをそのまま取り込んで自分のものとして利用してい...
文学・記録

GHQが焚書処分した俳句の本 『新戦場俳句と作法』『俳句と戦線』

GHQ焚書リストの中に俳句に関する本が六点あるのだが、焚書処分された理由は兵士たちが戦場などで詠んだ作品を多数採り上げている点にあるからであろう。 私も含めて戦後に生まれた日本人のほとんどは学校やテレビ新聞で繰り返し解説される自虐史観に洗脳...
文明開化とその裏面

伊藤博文・井上馨が主導する鹿鳴館外交を正面から批判した谷干城

鹿鳴館外交を推進した伊藤博文と井上馨 明治政府が採用した欧化政策のなかで、最も極端であったのは鹿鳴館の舞踏会騒ぎであった。 明治十六年(1883年)八月に伊藤博文がヨーロッパ諸国の諸制度を調べる外遊から帰国すると、太政官制度を廃止して内閣制...
テーマ別焚書

日本語、国語に関するGHQ焚書 『日本語の世界化』『大東亜共栄圏と国語政策』

GHQ焚書リストの中には、なぜこのような本を焚書処分したのかと思うようなタイトルの本が少なからず存在する。軍事のことを書いたわけではなく思想書でもない本の多くが焚書処分されているのだが、「日本語」に関する本まで多くが焚書処分にされていること...
京都

京都大原野の桜を楽しむ

桜の季節になると有名な、観光地はどこも観光客が多すぎて心静かに桜を鑑賞できないところが多いため、毎年なるべく観光客の少ない所を選んで旅程を組むようにしているのだが、今年訪れた大原野は素晴らしい桜を静かに楽しむことが出来た。勝持寺と願徳寺勝持...
精神・文化

日本精神に関するGHQ焚書  『自然景観より観たる日本精神』『日本精神と我が国土』『日本精神読本』

戦前・戦中には「日本精神」に関する書籍が多数出版されており、その多くがGHQによって焚書処分されている。「日本精神」という言葉にはかつては結構深い意味を含んでいたようだが、戦後の日本人は本来の「日本精神」を理解しないままに過ごして来ているよ...
文明開化とその裏面

暦を急遽太陽暦に改めることを強行した政府と国民の反応

改暦の詔書下る『新聞集成明治編年史 第一卷』p.512 明治政府が太政官布告第三百三十七号『太陰暦ヲ廃シ太陽暦ヲ頒行ス』を出した日付は明治五年(1872年)十一月九日のことなのだが、それによると「來ル十二月三日ヲ以テ明治六年一月一日ト被定候...
精神・文化

臣道に関するGHQ焚書  『臣道読本』『日本臣道の本義』『臣民の道』 

GHQ焚書リストの中には日本人の生きる姿勢や心構えに関する書籍が少なからず存在する。前々回及び前回に「武士道」及び「武道」に関するGHQ焚書を採り上げたが、今回は「臣道しんどう」(臣民の道)に関するGHQ焚書を紹介させていただくことにしたい...
文明開化とその裏面

郵便事業を創始した前島密は飛脚屋の失業対策まで考え抜いていた

郵便事業が開始される前は飛脚が信書を運んでいた 前回記事で明治時代の電信業の始まりの苦労について書いたが、今回は郵便事業の始まりについて書くことにしたい。 明治政府が郵便事業を開始したのは明治三年(1870年)のことなのだが、それ以前に信書...
精神・文化

武道(剣道・柔道等)に関するGHQ焚書

前回の「GHQ焚書」で、武士道に関するGHQ焚書を紹介させていただいたが、剣道や柔道などの武道に関する研究書や解説書、指導書などもGHQによって焚書処分されている。処分された理由は武道の技術的な面というよりも、おそらくはその精神的な面ではな...
文明開化とその裏面

電信工事に対する民衆の妨害活動や流言飛語に手を焼いた明治政府

ペリーが徳川将軍に贈った電信機 前回の「歴史ノート」で、嘉永七年(1854年)にペリーが二度目の来日をした際に横浜で汽車の模型を動かしたところ、幕府の役人が子どものように喜んだことを書いたが、ペリーは同時に電信機のデモンストレーションをも実...
精神・文化

武士道等に関するGHQ焚書 『武士道と武士訓』『武士道と日本民族』

「武士道」をキーワードにしてGHQ焚書リストを調べると、結構多くの書籍が引っかかる。よく似た言葉に「士道」という言葉があり、多少ニュアンスは異なるが、ほぼ「武士道」と同様な意味で用いられるようなので、それらを加えると「武士道」に関するGHQ...
文明開化とその裏面

沸騰した反対論に打ち克ち、東京横浜間に蒸気機関車を走らせた大隈重信

ペリーが持ち込んだ汽車の模型 嘉永七年(1854年)にペリーが二度目の来日をした際に、横浜で汽車の模型を動かしたところ幕府の役人たちが、まるで子供のように喜んだことがペリーの『日本遠征記』に残されている。ペリー 小さい機関車と、客車と炭水車...
滋賀

寿長生の郷の梅まつりと忠臣蔵・大石家の発祥の地を訪ねて

寿長生すないの郷さと 梅が咲いているのを期待して寿長生の郷(滋賀県大津市大石龍門4-2-1)を三月七日に訪れたのだが、今年は寒い日が続いたので紅梅が少し咲いているだけで、残念ながら白梅はまだ蕾の状態であった。見頃を迎えるのはおそらく三月中旬...
文明開化とその裏面

大日本帝国憲法が発布された日に初代文部大臣・森有禮が暗殺された事情

西欧文明に傾倒した森有禮 森有禮もりありのりは弘化四年(1847年)に薩摩藩士森喜右衛門の五男として生まれ、元治元年(1864年)より藩の洋学校である開成所に入学して英学講義を受講し、翌年には薩摩藩の第一次英国留学生として五代友厚らとともに...
精神・文化

神道関連のGHQ焚書 『海外神社の史的研究』『神道と日本精神』

神道関連の書籍は大型書店に行ってもわずかしか並んでいないのだが、戦前戦中には結構多くの書籍が出ていて、その多くがGHQによって焚書処分されている。よく似た内容のものが少なくないが、ユニークな研究も存在するので、そのうちの2点を紹介させていた...
文明開化とその裏面

鹿鳴館時代に提出された条約改正案は欧米に媚びる内容で世論の大反対を受けた

前回の「歴史ノート」で、明治の初期から極端な欧化政策が採られて、その最もひどかった時代が鹿鳴館ろくめいかん時代であることを書いた。 鹿鳴館は明治政府が薩摩藩邸の跡地に建てることを決定し、明治十六年(1883年)十一月二十八日に落成した建物で...
精神・文化

中国思想に関するGHQ焚書 『儒教と我が国の徳教』、『孫子』

中国思想に関するGHQ焚書を探してみると、中国の春秋戦国時代(紀元前770年~紀元前221年)に現れた諸子百家に関するものばかりで、大半は孔子が創始した儒教、あるいは孫子の兵法に関する書物である。孫子が焚書処分されたのは理解できるのだが、孔...
文明開化とその裏面

極端な欧化主義でわが国の伝統文化や景観破壊を推進した政治家は誰か

極端な欧化主義が推進された 文芸評論家の高須梅渓が大正九年に上梓した『明治大正五十三年史論』によると、廃藩置県以降の明治政府は、復古的、保守的ではなく、むしろ革新的、進歩的に動いたと指摘したあと、次のように述べている。 当時に於ける革新的、...