文学・記録

GHQが焚書処分した紀行・旅行記 『黄塵 : 紀行随筆集』、『アメリカ旅行その日その日』

紀行と旅行記はいずれも旅行に関する記録であるが、紀行は文化や歴史についての情報提供が中心で、旅行記というと個人的な出来事や感想を書いたもので、文章の途中に写真や挿絵などが...
戦争と共産主義

ソ連・コミンテルンによる教育機関の日本赤化工作

前回は一九二八年(昭和三年)の七月から九月にかけてモスクワで第六回コミンテルン大会が開催され、七月には長春、奉天、鉄嶺、安東の日本軍に対して赤化宣伝文書が大量配布されたこ...
文学・記録

GHQが焚書処分した「風土記」「風物誌」 『北支風土記』『泰国風物詩』

GHQが焚書処分したリストの中から、本のタイトルに「風土(記)」あるいは「風物誌(詩)」を含むものを探してみたが全部で十点が引っかかった。 以前このブログで、支那事変以降...
滋賀

長浜から米原の古い社寺等を訪ねて 米原・長浜旅行その2

米原市の湯谷神社を参拝したのち長浜市の須賀谷温泉(長浜市須賀谷町36)で一泊し、長浜市の主な観光地は数年前に長浜曳山祭りを見た際に訪問していたので、二日目は長浜市から米原...
滋賀

新緑の季節に滋賀県米原市の歴史散策 米原・長浜旅行その1

最近は有名観光地は外人観光客が多すぎるので敬遠して、あまり有名でない地方の社寺巡りを楽しんでいるのだが、新緑の季節を迎えたタイミングで滋賀県の米原市や長浜市の古社寺巡りの...
戦争と共産主義

ソ連・コミンテルンによる初期の日本赤化工作

「赤化せっか」という言葉は今ではほとんど死語になってしまったが、共産主義的な思想や機構を広めていくことを意味している。戦後に出版された本やマスコミの解説などで触れられるこ...
文学・記録

本のタイトルに「日記」「日誌」を含むGHQ焚書 『戦影日記』『僕らの戦争日記』

GHQ焚書リストから「日記」をキーワードにして絞り込むと二十点が引っかかり、「日誌」では十三点がひっかかった。「日記」の多くは自らの戦争体験を綴ったものだが、中には満州や...
文明開化とその裏面

わが国で最初に石油を製造した石坂周造

わが国の石油消費量のほとんどは中東などから輸入されているが、わずかながらわが国でも秋田県や新潟県を中心に石油の生産が行われており、国内生産量は2022年で41万キロリット...
文学・記録

本のタイトルに「詩」を含むGHQ焚書 『遠征と詩歌』『われら戦う:ナチスドイツ青年詩集』

GHQ焚書リストの中から、本のタイトルに「詩」を含む本を絞り込むと、「詩集」が多いことは当然であるが、自らの戦争体験を綴った日本兵士の作品もあれば、ドイツ兵の詩集や、幕末...
文明開化とその裏面

政府が欧風化を推進した文明開化の時代に、国産品を奨励した僧侶・佐田介石

技術進歩の激しい時代には、新技術をいち早く導入した者が、多くの人々の仕事を奪い取って失業させることになる。それはある程度やむを得ないものではあるのだが、その変化が激しすぎ...
文学・記録

本のタイトルに「歌」を含むGHQ焚書 『短歌戦記』『民族解放の歌』

GHQ焚書リストから、タイトルに「歌」を含むものを絞ってみると、多くが短歌集で、中には兵士が詠んだ秀逸な作品を集めて解説している本もあれば、軍歌を収録した本もあり、南方民...
文明開化とその裏面

明治天皇が『教育勅語』を渙発された経緯

明治の初めのころ「文明開化」の名のもとに、わが国で極端な欧化主義的な考え方が支配したことはこのブログで何度か書いてきた。 わが国が近代国家として西欧に対抗するためには、西...
文学・記録

GHQが焚書処分した俳句の本 『新戦場俳句と作法』『俳句と戦線』

GHQ焚書リストの中に俳句に関する本が六点あるのだが、焚書処分された理由は兵士たちが戦場などで詠んだ作品を多数採り上げている点にあるからであろう。 私も含めて戦後に生まれ...
文明開化とその裏面

伊藤博文・井上馨が主導する鹿鳴館外交を正面から批判した谷干城

鹿鳴館外交を推進した伊藤博文と井上馨 明治政府が採用した欧化政策のなかで、最も極端であったのは鹿鳴館の舞踏会騒ぎであった。 明治十六年(1883年)八月に伊藤博文がヨーロ...
テーマ別焚書

日本語、国語に関するGHQ焚書 『日本語の世界化』『大東亜共栄圏と国語政策』

GHQ焚書リストの中には、なぜこのような本を焚書処分したのかと思うようなタイトルの本が少なからず存在する。軍事のことを書いたわけではなく思想書でもない本の多くが焚書処分さ...
京都

京都大原野の桜を楽しむ

桜の季節になると有名な、観光地はどこも観光客が多すぎて心静かに桜を鑑賞できないところが多いため、毎年なるべく観光客の少ない所を選んで旅程を組むようにしているのだが、今年訪...
精神・文化

日本精神に関するGHQ焚書  『自然景観より観たる日本精神』『日本精神と我が国土』『日本精神読本』

戦前・戦中には「日本精神」に関する書籍が多数出版されており、その多くがGHQによって焚書処分されている。「日本精神」という言葉にはかつては結構深い意味を含んでいたようだが...
文明開化とその裏面

暦を急遽太陽暦に改めることを強行した政府と国民の反応

改暦の詔書下る『新聞集成明治編年史 第一卷』p.512 明治政府が太政官布告第三百三十七号『太陰暦ヲ廃シ太陽暦ヲ頒行ス』を出した日付は明治五年(1872年)十一月九日のこ...
精神・文化

臣道に関するGHQ焚書  『臣道読本』『日本臣道の本義』『臣民の道』 

GHQ焚書リストの中には日本人の生きる姿勢や心構えに関する書籍が少なからず存在する。前々回及び前回に「武士道」及び「武道」に関するGHQ焚書を採り上げたが、今回は「臣道し...
文明開化とその裏面

郵便事業を創始した前島密は飛脚屋の失業対策まで考え抜いていた

郵便事業が開始される前は飛脚が信書を運んでいた 前回記事で明治時代の電信業の始まりの苦労について書いたが、今回は郵便事業の始まりについて書くことにしたい。 明治政府が郵便...
精神・文化

武道(剣道・柔道等)に関するGHQ焚書

前回の「GHQ焚書」で、武士道に関するGHQ焚書を紹介させていただいたが、剣道や柔道などの武道に関する研究書や解説書、指導書などもGHQによって焚書処分されている。処分さ...
文明開化とその裏面

電信工事に対する民衆の妨害活動や流言飛語に手を焼いた明治政府

ペリーが徳川将軍に贈った電信機 前回の「歴史ノート」で、嘉永七年(1854年)にペリーが二度目の来日をした際に横浜で汽車の模型を動かしたところ、幕府の役人が子どものように...
精神・文化

武士道等に関するGHQ焚書 『武士道と武士訓』『武士道と日本民族』

「武士道」をキーワードにしてGHQ焚書リストを調べると、結構多くの書籍が引っかかる。よく似た言葉に「士道」という言葉があり、多少ニュアンスは異なるが、ほぼ「武士道」と同様...
文明開化とその裏面

沸騰した反対論に打ち克ち、東京横浜間に蒸気機関車を走らせた大隈重信

ペリーが持ち込んだ汽車の模型 嘉永七年(1854年)にペリーが二度目の来日をした際に、横浜で汽車の模型を動かしたところ幕府の役人たちが、まるで子供のように喜んだことがペリ...
滋賀

寿長生の郷の梅まつりと忠臣蔵・大石家の発祥の地を訪ねて

寿長生すないの郷さと 梅が咲いているのを期待して寿長生の郷(滋賀県大津市大石龍門4-2-1)を三月七日に訪れたのだが、今年は寒い日が続いたので紅梅が少し咲いているだけで、...
文明開化とその裏面

大日本帝国憲法が発布された日に初代文部大臣・森有禮が暗殺された事情

西欧文明に傾倒した森有禮 森有禮もりありのりは弘化四年(1847年)に薩摩藩士森喜右衛門の五男として生まれ、元治元年(1864年)より藩の洋学校である開成所に入学して英学...
精神・文化

神道関連のGHQ焚書 『海外神社の史的研究』『神道と日本精神』

神道関連の書籍は大型書店に行ってもわずかしか並んでいないのだが、戦前戦中には結構多くの書籍が出ていて、その多くがGHQによって焚書処分されている。よく似た内容のものが少な...
文明開化とその裏面

鹿鳴館時代に提出された条約改正案は欧米に媚びる内容で世論の大反対を受けた

前回の「歴史ノート」で、明治の初期から極端な欧化政策が採られて、その最もひどかった時代が鹿鳴館ろくめいかん時代であることを書いた。 鹿鳴館は明治政府が薩摩藩邸の跡地に建て...
精神・文化

中国思想に関するGHQ焚書 『儒教と我が国の徳教』、『孫子』

中国思想に関するGHQ焚書を探してみると、中国の春秋戦国時代(紀元前770年~紀元前221年)に現れた諸子百家に関するものばかりで、大半は孔子が創始した儒教、あるいは孫子...
文明開化とその裏面

極端な欧化主義でわが国の伝統文化や景観破壊を推進した政治家は誰か

極端な欧化主義が推進された 文芸評論家の高須梅渓が大正九年に上梓した『明治大正五十三年史論』によると、廃藩置県以降の明治政府は、復古的、保守的ではなく、むしろ革新的、進歩...
宗教関連

仏教に関するGHQ焚書 『シャカ』『仏教の戦争観』

『シャカ』 仏教に関するGHQ焚書を探していると、仏教の開祖である釈迦に関する子供用の絵本がリストにあるのに驚いた。この絵本は講談社が「大東亜の偉人」を集めたシリーズの中...
文明開化とその裏面

『文明開化』施策という極端な欧化主義政策が破壊したもの

文明開化とその反動 前回の「歴史ノート」で、歴史学者・徳重浅吉が、明治政府は「御一新の名によって嵐の如く旧物を破壊し尽くしたかの観さえある」と書いていることを紹介した。 ...
宗教関連

イスラム教に関するGHQ焚書 『大東亜の回教徒』『回々教大観』

イスラム教は七世紀にマホメットが創始した宗教で「マホメット教」と呼ばれることもあるが、漢字圏では古くから「回教」あるいは「回々フィフイ教」と呼ばれて来た。わが国では最近で...
文明開化とその裏面

旧来の伝統や文化を廃止しようとした政府と、それに抵抗した人々

欧化主義的実利思想 文芸評論家の高須梅渓が大正九年に上梓した『明治大正五十三年史論』に、廃藩置県以降の政治について次のように記している。 廃藩置県後における政府の事業は、...
宗教関連

キリスト教に関するGHQ焚書 『支那事変とローマ教皇庁』、『満州帝国とカトリック教』

『支那事変とローマ教皇庁』GHQ焚書の中でキリスト教に関係する本は決して多くはないのだが、いずれの本も戦後の史書には書かれていないような情報が満載で、戦後に出回っている史...
文明開化とその裏面

和装から洋装への移行期における混乱

急激な洋装の普及 江戸時代の日本人は、髪を結い和服を着て下駄や草履を履くのが当たり前であったのだが、それが急激に洋装に変化していったのが明治の初期のことである。 和装のま...
テーマ別焚書

「文化」「文明」に関するGHQ焚書 『日本文化の支那への影響』

『日本文化の支那への影響』 GHQ焚書のリストの本のタイトル・副題を「文化」「文明」というキーワードで絞り込むと、73点の図書が引っかかったのだが、タイトルがユニークであ...
文明開化とその裏面

明治の文明開化期における日本の伝統、文化、景観破壊

五箇条の御誓文 慶応四年(1868)三月十四日、明治天皇は京都御所の紫宸殿に公卿・諸侯以下百官を集め、明治維新の基本方針である「五箇条の御誓文」を神前に奉読され、その場に...
テーマ別焚書

「思想」に関するGHQ焚書  『アジア民族の中心思想』、『思想戦経済戦』

生存競争か、共存共栄か高楠順次郎 『思想』をキーワードにして面白そうなGHQ焚書を探していると、『アジア民族の中心思想 インド篇』という本が目に入った。著者の高楠順次郎は...
情報収集方法

デジタル歴史データ探索のすすめ その3 出版された新聞記事集の使い方

「神戸大学新聞記事文庫」以外の新聞記事探索 前回は「神戸大学新聞記事文庫」の検索を用いて歴史を探索する方法を中心に書いたが、このデータベースの最大の弱点は、当時の経済学・...
情報収集方法

デジタル歴史データ探索のすすめ その2 「神戸大学新聞記事文庫」の使い方

前回は「国立国会図書館デジタルコレクション」の全文検索を用いて歴史データを探索する方法を中心に書いたが、今回は「神戸大学新聞記事文庫」の全文検索を用いて調べる方法について...
情報収集方法

デジタル歴史データ探索のすすめ その1 「国立国会図書館デジタルコレクション」の使い方

図書館で調べることの限界 過去の事件や人物について詳しく調べたい時にどうやって関連書物や新聞記事を探し出しているのかと質問されたことがある。その方は、私が市販の書籍やネッ...
中国関連

支那通・須藤理助が見た支那4 満州事変

誤った日支親善 前回は支那の暴動に巻き込まれて在留邦人が掠奪され暴行されても、支那との融和を説いた幣原喜重郎外相の「軟弱外交」を須藤理助が痛烈に批判している文章を紹介させ...
中国関連

支那通・須藤理助が見た支那 3 第一次南京事件

戦前戦中は支那の実態が詳しく報道されていた 前回に引き続き須藤理助の『満蒙は併合せよ : 附・南支問題の真相』の一部を紹介させていただく。念のために書いておくが、当時の支...
ご連絡など

2025年 新年のご挨拶

新年 あけましておめでとうございます。 旧年中は拙い私のブログにお付き合いいただき、まことにありがとうございました。 何度も訪問して頂いた方や、私の記事にリンクして頂いた...
テーマ別焚書

民族に関するGHQ焚書リスト 『創造の民・日本民族』

『創造の民・日本民族』豊沢豊雄 Wikipediaより 最近ではあまり聞かなくなったが、昔は「日本人は科学でも政治でも教育でも宗教でも芸術でも、日本人は外国の模倣ばかりで...
中国関連

支那通・須藤理助が見た支那 2 支那の統治機構と国民性

前回はGHQ焚書の須藤理助『満蒙は併合せよ:南支問題の真相』の中から、支那軍に関する部分を紹介させていただいた。支那兵に関しては興味深い話が他にもいくつも記されているのだ...
中国関連

支那通・須藤理助が見た支那 1 支那の軍隊

GHQ焚書リストの中で支那大陸に住んで長い間活動をしていた人物の著作を探していたら、たまたま須藤理助の著書『満蒙は併合せよ: 附・南支問題の真相』という本が見つかった。 ...
テーマ別焚書

資源に関するGHQ焚書リスト  『軍需資源読本』

GHQ焚書の中から「資源」をキーワードにして本を探すと、様々な国の様々な資源について個別具体的に詳述している本が多いのだが、少年少女向けに書かれた『軍需資源読本』という本...
支那排日

我が国の国際連盟脱退までの米国及び支那の動き 支那排日9

張学良はなぜ山海関事件を起こしたか 前回の「歴史ノート」で、一九三二年十一月二十一日から開催された満州問題に関する国際連盟理事会において日本全権松岡洋右との論戦に勝てず、...