2021-11

ナチス関連

GHQが焚書処分したナチス研究書4~~水野正次 著『総力戦と宣伝戦:ナチス思想謀略の研究』

著者:水野正次について  前回まではアルス社の「ナチス叢書」の本を3点紹介させて頂いたが、今回は新民書房から昭和十六年七月に刊行された『総力戦と宣伝戦:ナチス思想謀略の研究』という本を紹介したい。  著者の水野正次がどんな人物なのかを知りた...
征韓論から士族の反乱

大久保利通が台湾出兵を決断し、自ら清国との談判に臨み賠償金を獲得したこと

明治4年に宮古島の船が台湾に漂着して、船員の衣類が略奪され54名が虐殺される事件があった。その後も同様の事件が続き、台湾を膺懲せよとの世論が高まって行った。大久保利通は明治六年に征韓論に反対し、西郷隆盛らが下野する原因を作った人物だが、その4か月後に、木戸孝允の反対を押し切って征台論を主張し、台湾出兵を実行した。
京都

京都府久美浜町の歴史と文化にふれる旅

久美浜町湊宮の五軒家と天明の大飢饉  京都府京丹後市にある久美浜湾は、東から佐濃谷川、川上谷川、久美谷川の三河川が注いでおり、北は小天橋(しょうてんきょう)と呼ばれる砂洲によって大部分が日本海と隔てられ、淡水と海水が混ざり合う、波穏やかな潟...
兵庫

紅葉の季節に西脇の歴史・文化を訪ねて

毎年紅葉の季節に地方の古刹などを観光するのだが、今年は兵庫県西脇市を訪ねてきた。(11/18訪問、撮影) 西林寺  最初に訪れたのは紅葉で知られる西林寺(西脇市坂本455)。高野山真言宗の寺院である。 西林寺 仁王門  寺伝によるとこの寺は...
征韓論から士族の反乱

前原一誠と萩の乱

福岡の秋月の乱の翌日に山口で前原一誠らが起ちあがった。前原は維新後参議を務めた人物だが、「国民皆兵」の徴兵制路線や奇兵隊の処分を主張した木戸孝允と意見が対立し、明治三年九月に官を辞して萩に帰郷していた。前原は明治九年十月に、熊本で神風連、福岡で秋月の乱が起きた情報が入ると、二十七日に萩の不平士族たちを明倫館の講堂に招集し決起することを決定した。
ナチス関連

GHQが焚書処分したナチス研究書3~~八条隆孟 著『ナチス政治論』

前回に引き続き、GHQによってシリーズの大半が焚書処分された株式会社アルスの『ナチス叢書』のなかから、今回は八条隆孟 著『ナチス政治論』(昭和十六年五月刊)という本を紹介したい。 ドイツ革命とその後の混乱  以前このブログで、ロシア革命はユ...
征韓論から士族の反乱

神風連の乱の三日後に起きた秋月の乱

熊本の神風連が蹶起すると聞き、福岡の秋月も挙兵を決めた。秋月で集まったのは百五十人程度であったが、挙兵に加わる約束をしていた旧黒田藩に裏切られて何とか危地を脱したものの、食糧も乏しくなり、多くの者が脱落していった。今村百太郎がわずか十七名で最後の決戦を試みた。
ナチス関連

GHQが焚書処分したナチス研究書2~~末次信正著『日本とナチス独逸』

日独伊三国同盟はなぜ結ばれたのか  前回のこのコーナーで株式会社アルスが出版した『ナチス叢書』の大半が焚書処分されていることを書いたが、今回も『ナチス叢書』のなかから末次信正 著『日本とナチス独逸』(昭和十五年十一月刊)の一部を紹介したい。...
征韓論から士族の反乱

廃刀令が出た半年後に起きた熊本神風連の乱

明治維新後士族を取り巻く環境が激変し収入も激減していたのだが、明治九年の廃刀令で不平士族の不満が爆発した。熊本では神風連の党員約170名が新政府施政の過ちを正そうと起ちあがり、熊本鎮台司令官宅、熊本県令宅、熊本鎮台などを襲撃した。翌日鎮圧されたが、この事件に呼応して、秋月の乱、萩の乱が起きている。
ナチス関連

GHQが焚書処分したナチス研究書1~~深尾重正著『ナチスの放送戦争』

大半がGHQによって焚書処分されたアルス社の『ナチス叢書』  前回はヒットラーの著書を紹介したので、今回はナチスに関する研究書を紹介することとしたい。  今は存在しないが、かつて株式会社アルスという出版社が存在した。詩人として有名な北原白秋...
征韓論から士族の反乱

江藤新平と佐賀の乱~~戦争煽動責任は政府にあるのではないか

明治六年の政変の後、政府に対する不満が各地で爆発し、七年一月には岩倉具視が襲われる事件が起きた。岩倉は無事であったが、公務を休んで療養中に佐賀の乱が起きている。佐賀では征韓論中止に士族たちが激昂していた。江藤は佐賀の不穏な空気を鎮めようと急いで帰郷したのだが、こともあろうに政府は内乱が起きてもいない佐賀に軍隊を送りこみ、江藤らは政府軍との戦いを余儀なくされる。